アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

病院さがし

どうやら妊娠しているらしいと分かってから、大慌てで病院探しを始めた私とダーリン。何せ私はツーリストビザの外国人。保険がありません。となると、高いお金を払って無保険で私立病院にかかるか、公立病院の扉を叩いて無料で診てもらうかの2択となります。

もちろん私立病院のサービス・設備等はさすがに素晴らしいらしいです。ただし、出産までに幾らかかかるか想像もで・き・な・い。反して初検診から出産まで無料で診てくれるという公立病院。もともと保険を持っていない人たちや、一般的にあまり裕福ではない人たちを対象に無料サービスを提供している訳で、その精神は素晴らしいのですが、当然のことながらあまり質の高いアテンドは期待できないという大前提があります。ちなみに私は、他のラ米諸国でかなり劣悪な”公立病院”を見たこともあり、正直その選択はかなり勇気のいるものでちょっと躊躇していました。

しかし、ここで非常にありがたいアドバイスをいただきました。ダーリンのお友達で公立病院でお医者さんをしているFさんに相談をしてみたところ、「アルゼンチンの公立病院の質は限りなく高い」とお墨付きをもらったのです。しかも途上国にありがちな混乱もなく、初検診の日に、出産までのスケジュールを丁寧に組んでくれるそうです。もちろん、ツーリストビザの外国人だって問題なく受け入れてくるそう。

そこで、早速先週の木曜日早朝、病院窓口に初検診の予約に行ってきました。公立病院の場合、自宅住所ごとに管轄区が決まっているため、本来私たちは南区の病院に行かなくちゃいけなかったのですが、交通の便のいい綺麗で新しい中央区の病院に通院したいと考え、ダーリンの案で「偽の自宅住所を言って登録する」ことになりました。もうこの時点から早速”ラテンアメリカちっくな段取り”が始まったわけです。嘘が全くつけないビビり&小心者の私としては、そんな嘘絶対にばれると大反対だったのですが、ダーリンは受付で平気な顔して嘘ついていました。信じられない!

ところが、偽の住所を聞いた病院受付の女性、きりりとダーリンの目を見つめ、「本当にその住所に住んでいるの?じゃあ私が今からその家に行ったら、あなたがそこにいるってことね?」と念押し(どうやら嘘をつく人が多いらしい)。私のノミのような心臓はもうバクバクと口から出てきそうになり、さすがのダーリンも一瞬答えに詰まったかと思ったその瞬間、彼はニコーっと笑い、「でも・・今は僕ここにいるから家に行ってもいませんよ」と。受付の女性もその答えを聞いて思わずにっこり。「ああそうね、しかもこれからお仕事に行くんでしょうしね」と、急に和やかな雰囲気になったのでした(!!)。嘘をつくのってやっぱり才能が必要なんだと思った瞬間でした。

さて、初検診は6月10日と、まだ2週間も待たなくちゃいけないことになりましたが、一応無事予約してもらえたのでほっと安心。初検診時にはおそらく妊娠7週目を迎えるはずの私ですが、初エコーの日程はその時に組んでもらえるらしいので、赤ちゃんの心音を聞かせてもらうまでまだまだ待たされそうです。最近ネットで情報収集をしていたのですが、日本では早いママさんなら妊娠5週目に初エコー&赤ちゃん確認したりするらしいですね。反してここアルゼンチンでは、2ヶ月目以降までエコーはいらん、というお医者さんも多いそうです。あ~、早く心音聞いてみたい~。

飛び込みの産婦人科でいつでも検診・エコーしてもらえる日本と、私立でも公立でも2週間先の予約しか取れない&そこからエコーの予約を取るアルゼンチンの違い。きっとこんなのは序の口で、これから数えきれないぐらいの不便さを感じることになるのだと思うとちょっと憂鬱にもなりますが、この先の全く見えない経験を丸ごと楽しむ気でどーんと構えていないと、心穏やかに出産を迎えられそうにないので、深呼吸深呼吸。アルゼンチンでの妊婦事情を乞うご期待!