アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

完敗のブエノス上京

これまでの1年8か月はツーリストビザで滞在してきた私ですが、2010年1月末に出産した後、遂にアルゼンチンの永住権を申請することになります。結婚していたなら既に永住権を持っていたでしょうが、私とダーリンはオフィシャルな婚姻はしないと決めているため、アルゼンチン国内でアルゼンチン人の赤ちゃんを産んだお母さん、として永住権を取得することになるわけです。

そこで、今からもう諸々の書類を揃える必要があります。

①日本の戸籍謄本(+アポスティーユ)、②日本の無犯罪証明書(+アポスティーユ)、③パスポートのコピー、④アルゼンチンの無犯罪証明書、などです。①~③の書類はアルゼンチンで認められた公式翻訳者に頼んでスペイン語翻訳もしなくちゃいけませんし、②の無犯罪証明書は在アルゼンチン日本領事館へ申請してから3か月ほど取得に時間がかかります。

更にこの無犯罪証明書の申請、毎回指紋を取らなければならない関係で、どうしてもブエノスアイレスにある日本領事館まで出向かないといけません。これが私のような地方都市在住者には厄介なところ。しかも、取得後の有効期限が3か月しかない書類なので、このタイミングまで待って申請しなければならないという事情もありました。そこで、妊娠28週目の重たいお腹を抱えて、ダーリンと二人でブエノスへ行って来たのですが・・・正直、ちょっとトラウマが残りそうなほど、体力的にしんどい遠出となってしまいました。

本当は、ダーリンと二人で小旅行だ~いと思って、楽しみにしていたところもあったのです。カメラのバッテリーを充電したり、何着ていこう?な~んてあれこれ迷ったり。でも、、、甘かった、、、。自分の体が長距離の移動に既に適さないものになっているという認識があんまりにもなさ過ぎました(涙)。

そもそも行きのバスの中からその辛さは始まって・・・。いつも使っている快適な寝台バス(椅子が深く倒せるタイプ)に乗り込んだはいいものの、やっぱりお腹がでっかい私が快適と感じる態勢ってないんですよねぇ。自宅のベッドでも体を安定させるのにクッションを足の間にはさんだりしないといけない妊婦、当然と言えば当然。座席の上でもぞもぞと動いて、なんとか辛くない態勢を探そうとするものの、虚しい努力・・・。そのまま4時間、体のどこかに力がはいった状態でブエノス到着をひたすら待つばかり・・・。ダーリンはと言えば、「自分のベッドマットよりも快適かも♪」な~んて言って、サービスでもらえるサンドイッチをもぐもぐ食べて、持ち込んだ勉強用の資料を読んで、大満足でその後はもうぐっすり熟睡。見ていて「き~~~っ」て羨ましくなったぐらい。

ブエノスについた時には私の体はすっかりこわばって、しばらく上手く歩けず・・・。バスの中では「大丈夫?」の一言もなかった彼だけど、それを見て初めて私の状態に気がついた様子(遅い!)。その後は荷物持ってくれたり、気にしてゆっくり歩いてくれたりしたけれど・・・次の洗礼は悪名高いRetiroバスターミナル周辺のカオス!!ご存知の方も多いでしょうが、ターミナル周辺にはすごく大きな道路が縦横無尽に通っている上、歩道や横断歩道がきちんと整備されていなくて、どこをどうやって歩いたらいいわけ??というような状態。そこにターミナル利用客を目当てにした露店が所狭しと並び、ものすごい人ゴミ。本当は高架を掛けてターミナルから市内へ通じる通りまで、大通りを何本も横切らなくてもいいようにするべきなんじゃないかしら、と毎回思います。ブエノスにバスで到着した人はみんなきっとあのターミナル周辺の歩きづらい大通りの交差を抜けるだけで疲れてしまうんじゃないでしょか??

私とダーリンも当初タクシーに乗って直接領事館まで行こうねと話していたにも関わらず、辺り一帯がゴミゴミしていてうまくタクシーすら拾えないし(田舎者??)、結局少し落ち着いた通りまで頑張って歩こうってことになったはいいけど、そしたら結局領事館の近くまで歩くことになってしまって、じゃあこのまま徒歩で行こうって、かなりの距離を歩く結果に・・・。

一応領事館には11時半ごろについて、無犯罪証明書も申請して、出産届けと認知届けの説明もしてもらって、まあにこやかに速やかに午前中に手続きが終わったのは良かったのですが。で、その後、友人に会うため彼女の職場の近くまで地下鉄で行こうとしたら、なんと最悪なことに地下鉄全線ストで一日運休!!じゃあタクシーで、と思って大通りに出たら、デモ行進で通りは閉鎖中!!!それなら横道入ってどこかでタクシーを、と思って入った道入った道なぜか全て道路工事中で車は通れず、しかもちょうど昼時だったもので物凄い人ごみが道中に溢れかえり、まともに歩くこともおぼつかない状態に!!!ひょえ~~~。

ここら辺から私は軽~くパニックに。友人の仕事の昼休みが1時間しかないこともあり、時間はないわ、足はないわ、お腹は重くて歩くの辛いわ、って言うか、そもそもこんなに

ごったがえしていたら歩けないじゃん!!!ど~~~~~~しろっちゅ~わけ????と半切れ状態。友人に電話して、途中まで来てもらうことにしたものの、なんと彼女が乗ったタクシーも途中から道路封鎖にあってそれ以上進めなくなってしまいました。ど~~~いう町だ~~~??そんなんでお互いCorrientes通り(目抜き通り)を上と下から歩いて歩いて、やっと出会えたのはオベリスコの近く。・・・結局ここでも私はかなりの距離を歩くことになってしまったのでした・・・・とほほ。

お昼を一緒に食べて、久しぶりの再会で話しに花が咲いて、ダーリンと3人和やかに楽しく過ごして別れたのが午後2時過ぎぐらい。次の予定は5時に某事務所へ行くこと。まだ時間があるからダーリンと二人で自然保護区(Reserva Natural)へ避難しようということになり、港の向こう側に広がる緑地帯へ向かったのですが・・・ダーリンったら「もう歩けない」って言っている私を横目に、ぐんぐん歩く歩く・・・!!!「タクシー拾おうよ」って言っても、すぐにタクシーが通らないと、「次の通りまで歩こう」といつも言う彼。とにかく待つことに対して信じられないぐらい忍耐力がないのです。私からしたら、どこかでタクシー待つ方が体力も温存できるし効率的と思うんだけど・・・そんなんで気が付いてみたら結局何ブロック歩いたんだ???

で、その頃には私の足にも靴づれが・・・(ひ~ん)。履きなれた靴を履いていたのに、やっぱりこの体重を支えるために、足も靴もかなりの負担を追っているのでしょう・・・。それでますます歩くのが苦痛になり、遂には逆切れした私が一人ですたすたとタクシーを拾いに行き、ようやくタクシーゲット。っとに、最初っからこうしておけば良かった・・・。そんなんでやっと着いた自然保護区だったのですが、・・・知らなかった・・・そこに一度入ると相当な距離歩かなくちゃいけないなんて・・・(汗)。と言うのも、出入り口が広大な敷地の両はじにしかなかいから(!)。折角大変な思いをしてたどり着いたし、入らないって言うのももったいないし、おまけにその頃には二人ともかなり疲れて険悪なムードも漂っていたので、これで私が「やっぱり入らない」な~んて言ったら大変なことになるということで、かなり躊躇しましたが、結局入園。そしてまたしても1時間の徒歩・・・。バカか私???っていうぐらい朝から歩いてる~~~!!!

その後、5時に某事務所へ行って用事を済ませ、ようやく全ての予定が終わったのが午後6時。コーヒーでも飲もうか・・・?なんて提案もぼそっと出たものの、私もダーリンもその頃にはもうくったくたのボロ雑巾状態!しかも既にバスターミナルの近くにいたこともあり、も~~~~いっか、ってことになって、そのままターミナルに直行。午後6時半のバスに飛び乗って、我らが町へと向かったのでした。

帰りのバスでもダーリンはサービスのサンドイッチをもぐもぐ食べて、その後たっぷり熟睡。私は体中の痛みとつりまくる足のために一睡もできず(号泣)、町についた時には思わず涙が出そうになったほどほっとしたのでした・・・。

いや~~~~~~「このお腹ではもう二度と旅行したくない!」って宣言しちゃいました。写真なんて取る気力も体力も時間も心の余裕もなかったし、お買いもの♪だの、美術館♪だの、中華街♪だの、頭にあった楽しい計画は一つも果たせず、なんと言うか、”完敗”って感じの今回のブエノス上京。だいたい、地下鉄ストやり過ぎ!!(実はコレに当たったのは2度目)、道路も封鎖し過ぎ!!! 

でも必要な用事は全てクリアできたし、友人にも久しぶりに会えたし、ダーリンには完全にお付き合いしてもらっちゃった上に八つ当たりしちゃって可哀そうだったけど、取りあえず行って良かったとは思います。そして、もう当分行きません!!地方都市万歳!!