アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

36weeks 1day 緊急入院

昨日、29日火曜日、定期健診へ行ってきました。

私の体重増加はなく、血圧もいつもどおり60-90。先日のトキソプラズマの検査もネガティブ、赤ちゃんのポジションも正常だったのですが、なんと子宮の大きさが1週間で5センチも大きくなっていました・・・。

担当のDra.マルビーナがバケーション中だったので、前回に引き続きDr.ホルヘに診てもらったのですが、1週間で5センチという子宮の成長と、36週目にして子宮底長40センチという大きさ、そしてお腹を触った感じの羊水の多さは黄色信号、ということでDr.ホルヘも焦った様子。急きょ産婦人科の救急窓口へと送られることになりました。

私が定期健診を受けているメディカルセンターは公立のM総合病院に隣接していて、私が出産する場所はこのM総合病院の産婦人科になります。Dr.ホルヘの指示に従い私とダーリンはそのままM総合病院の救急窓口へと直行。そこで、これまでの全てのデータ、エコーの結果等を渡して簡単な診察を受けたところ、「検査が必要になるので、このまま入院してください」と緊急入院を告げられることに・・・。

病院側の説明としては、あくまでもコントロールのための入院ということで、予約で満員のエコーに空きが出次第エコーを受けられたり、その結果を見てM産婦人科のトップ医師に直ぐに診察してもらえるように、とのこと。

また、すでに36週目を迎えていることもあり、ムスメちゃんがいつ生まれてもおかしくはなく、何かのリスクが見つかれば帝王切開や促進剤での分娩で出産ということになるかもしれないので、私の入院用品に加え、ムスメちゃんの出産準備品も全て家から持ってくるようにと言われました。

私がそのまま病室に入り、ダーリンが自宅に必要なものを取りに戻ったのがお昼の1時過ぎ。健診前に時間がなくて朝食が取れなかった私は、この時点で空腹と不安な展開への心配から結構ぐったり。看護婦さんに測ってもらった血圧は40-80で、びっくりした看護婦さんが食べる物を探しに飛んで行ってくれました。その後ダーリンが荷物一式抱えて戻ってきてくれたのが午後3時ごろだったでしょうか。

そこから病院側の指示が出るまで待つこと半日・・・。

何せ、次にいつどんな検査を行うのか全く説明がなかったので、ただただ時間が過ぎていくばかりで、不安でナーバスになる私を元気づけようと、ダーリンは私の大好きなアイスクリーム屋さんでアイスを買ってきてくれたり、盛んに話しかけては励ましてくれたり。

落ち着かないまま結局夜の8時半まで待たされ、ようやくエコー室に呼ばれたものの、エコー担当医が前回と同じで私の症例を覚えていたため、産婦人科内にある簡易エコーではなく、地下にあるもっと充実した機材で検査をしたいと言い出し、結局検査は翌朝8時に持ち越されました。

その際エコー担当医に言われたことは、「前回も言った通り、羊水が増え続けているということは、胎児の食道閉鎖の可能性が高いということだから、一応心の準備をしておいて。完全なレッド―カードとまでは言わないけれど、イエローカードとの中間ぐらいだと思っておいて」など、ますますナーバスになることばかり。

直ぐに検査を受けられなかったことと、この医師の言葉で私はかなり落ち込んでしまい、再びボロ泣き状態で病室へ戻りました。そんな私にダーリンは「まだ分からないことの方が多いんだし、理想的な状況じゃないにしても、そこまで悲観することもない。出産後の手術等が必要であっても、きっと手は打てるし大丈夫」と、とにかく一生懸命語りかけてくれました。

本当に・・・今回ムスメちゃんを巡る全てのことで、ダーリンはすごく力強いパートナーになってくれていて、何かあるたびにジタバタしてしまう私としては深く深く感謝しています。

夜も病室で付き添うと言い張ってくれましたが、付添い人用のベッドはないし、床で横になっても駄目ということで、疲れ切ったダーリンに椅子の上でじーっと朝を待つなんてして欲しくなかったので帰宅を勧めたのですが、なかなかうんと言わず。「一緒にいるって決めたのに!」と最後にはちょっと怒っていましたが、なんとか説き伏せて家に帰ってもらいました。結果的には彼も自宅のベッドで寝て、シャワーを浴びて、マテ茶を飲んで、今朝7時頃だいぶすっきりした顔になって病室に来てくれたから良かったのですが。

そして本日、8時過ぎには予定通りエコーを受けに地下へ。

結果、羊水は増え続けていて、ムスメちゃんの胃は1.5センチと相変わらずとても小さかった。ただし、心臓その他の大切な器官に異常は見られず、成長も順調で現在36週目の時点で体重も3キロ以上とのことでした。

エコー担当医には「やはり羊水を呑み込めていないようだから、出産後の緊急ケアが必要だ」と言われ、それは前回のエコーの疑惑を確定するようなコメントだったので、私の涙腺はまたしても全開に。「ただし、詳細についての診断はあくまでも産婦人科医の仕事なので(彼はエコーの専門家というだけなので)、医師の指示を待つように」ということで、病室に戻って待機することになりました。

病室に戻ってからも、同室の女の子の生後3日目の元気な赤ちゃんをうらめしく眺め、全ての健康な赤ちゃんを抱いたお母さん達と自分がとても遠い所にいるような気がして涙がとまらずにいた私の元に、二人の老齢の医師が訪ねてきました。二人ともM総合病院の産婦人科を代表する医師で、後からダーリンにとっても有名なお医者さんだと教えてもらいました。

私は何を言われるかと緊張していましたが、二人の医師は私のお腹を触って確認した後「入院の必要なし。帰宅していいですよ」と・・・!!

全てのデータに目を通し、今朝の最新のエコーも見た結果彼らが出した結論は、①確かに羊水は増えているけれど驚くほどの量ではない、②赤ちゃんの胃は小さいけれどエコーに映っていると言うことは少量でも羊水を飲んでいるということで、完全な食道閉鎖とは言えない、③子宮は確かに大きけれどそれが何らかの障害となっているとは言えず、この時点で帝王切開や促進剤を使用して妊娠状態を打ち切る理由はない、というものでした。

完全な食道閉鎖とは言えなくとも、少量しか飲めていないことから出産後何らかの処置が必要である可能性はある、ただし今すぐに何かをしなくちゃいけないことはなく、正常なケース同様このまま妊娠過程を見守って、胎児が育つのをもう少し待ちましょう、と。

来週の月曜日早朝にエコー、その後すぐに産婦人科トップのこのマラム医師に診察してもらえることになりました。今後はもうメディカルセンターへは行かず、この名の通った医師が担当医として診てくれることとなり、私もダーリンも正直ほっと安心しました。

ちなみに、この町(多分アルゼンチン全土)では医療分野で最も権威のある職場は公立病院と言われていて、特にM総合病院にはこの町のトップクラスの医師が勢ぞろいしているそうです。その中でも産婦人科の責任者であるマラム医師は知らない人がいないぐらいらしく、帰宅時に乗ったタクシーの運転手さんですらも知っていたのには驚きました。

散々心配して不安になって、1年分は泣いた長い長い一日でしたが、こうして信頼のおける医師に診てもらえることになり、懸念していたエコーの結果もひとまずそこまでの心配の必要はないと分かり、また、入院病棟がどんな感じかも知ることができ、結果的には緊急入院になって良かったかもしれないね、とダーリンと話しながら、お昼には自宅に戻って来ました。

年末年始を病院で過ごすことも覚悟していただけに、たった1日の不在ではあったけれど、我が家の懐かしかったこと!!うちの猫クンもニャ~~~~~~~~~とやたら長い鳴き声を上げて私の不在に対して抗議してました。

と言うことで、多分これが年内最後のご報告になると思います。

本年も大変お世話になりました!

皆様のより充実した新しき一年と、ムスメちゃんの無事の到来を祈りつつ・・・。

良いお年を!!