アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

神々の時間

実はまたしても自宅にいます。

信じられないことに、今回もムスメ発熱のため全てキャンセルになりまして・・・。このほとんどありえない展開に、正直今度という今度は相当落ちました

そもそも、先週金曜日に主治医に診てもらった時には「10点満点。これ以上いい状態はあり得ない」と太鼓判を押してもらっていたものの、日曜日の時点で鼻水が一気に増えていや~な予感が。

案の定、月曜日の朝には37.3度の熱があり、月曜の午後に出発する予定だったのをひとまずキャンセル。火曜日の昼まで様子見となったのですが、最終的に翌日早朝38度の熱と共に目を覚ました超病気モードのムスメを見て、全てキャンセルしました。

火曜日は私の誕生日でしたが、悲しいことに大台に乗った節目を迎えた今年の誕生日は、そんなこんなで人生最悪のバースデーに。

ムスメの脳が圧迫されているため、早急に手術する必要ありと言われてから早数カ月が経ちます。この間、心の中にずっと重たい鉛のような心配を抱えて生活してきました。なかなか進まない手続きや決まらない日取に焦り、今こうしている間もムスメの脳は締め付けられていて、将来的に障害が残るかもしれないという不安に慄いてきました。

でも、どれだけ気をつけても、私が頑張っても、思うように事が運ばない。進まない手続きはやっぱり進まないし、予定日が決まってもムスメは体調を崩してしまう。愛する我が子を前にして、一番重大な決定権は自分の手の中にはないという、この無力感。

火曜の朝は、ムスメが生まれて以来ずっと感じて来たこの無力感に改めて打ちのめされ、心配と不安と憂鬱から張りつめていたものがプチンと切れて、自分でもびっくりするぐらい泣きました。

こんな私達の状況を知って連絡をくれた信心深い友人達のコメントの中には、「神々の時間は私達の時間とは違う」「神様はいつ何が行われるべきかちゃんと知っている」というものがありました。

特定の信仰を持たない私は「だとしたら神様ってなんて愚図なんだろう。とっとと手術させてよ」と思わず憎まれ口を叩いてしまいましたが、こういう美しい解釈で納得できる、自分の気持ちを落ち着けることができる信心深い人たちはいいな、とちょっと羨ましくも思いました。

実際のところ不思議です。ムスメは確かに色々な問題を抱えていますが、それでも体の弱い子では決してありません。むしろ滅多に熱は出さないし、風邪もひかない子だと思っていたぐらい。それなのに、手術の予定が入りだしたこの1カ月、立て続けに3度も熱を出し、その3度とも手術当日かブエノスへ向けて出発する当日というこの“偶然”。一体何なのでしょう。

こうなると、なんだかムスメを手術室へ連れて行くことが限りなく不可能なことのように思えてきました。助けを求める電話をかけたいのに、途中で何度も電話番号を押し間違えて絶対に電話がかけられない、という私がよく見る覚めない悪夢みたい。

どうも私にも“神々の時間”を信じる心が必要なようです。スペイン語で言うなら、“Necesito tener fe”というところでしょうか。

まだまだ微熱が続くムスメと、ムスメにばっちり風邪をうつされてムスメ以上に可哀そうなことになっているダーリン(体弱過ぎ)。相変わらず体を壊すことがほとんどない私が、一人せっせと皆の面倒を見ている今日この頃。次の手術へ向けて私ができることは、もしかしたら祈ることなのかもしれません。