アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

ムスメ 2歳4ヶ月

ムスメの手術まで2週間切りました。

日々の暮らしに変わりはなく、私自身大丈夫と思っていましたが、どうもこのところ自分が地面から5センチぐらい浮いているような、日常生活が薄~いベールに包まれているような、そんな変な感覚があることに気がつきました。淡々と毎日を送っているようでいて、どこか違う。そして気持ちも妙に静か。静か過ぎ・・・って言うよりも、もしかしてちょっと落ちている???

そんな矢先、ある人と話をしていてムスメの手術のことを聞かれた途端、自分でもびっくりするほど突然涙がぽろぽろとこぼれ落ちて、そこでようやく、ああ私はやっぱり手術のことを気に病んでいたのだ、と自覚したのでした。

今回の指の手術は、これまでに経験してきた手術と比べれば大したことない、命を落とす心配もない、と誰もが言うし、私もそう思ってきました。良くなるための手術だ、とも。

でも、母親である私はやっぱり、ムスメの体にメスが入れられるのが辛い。手術室という、私が絶対に足を踏み入れることのできない場所に、またしてもムスメ一人を送り込まなければならないことも辛い。麻酔をして、痛み止めを飲ませたとしても痛い思いはするのだろうし、術後の不自由な生活も考えると不憫でたまらない。そして、この可愛らしいミトンのおててとのお別れも悲しい。

実はムスメ本人も、ここ3日間突然夜中に泣き出すようになりました。最初はお腹が痛いのかなと思っていましたが、パパがあやしても絶対に泣き止まず、大きなベッドで私にぴったりくっつくと泣き止み、私の横だと朝までぐっすり眠るので、手術の件でやっぱりナーバスになっているのかもしれません。今回は本人にも何度か手術の話はしてきたし、病院で執刀医と話をしているのも全て聞いていて、ある程度は理解しているはずなので。

周囲の関係者には「お母さんがナーバスになっているからよ」と言われますが、これを言われるのがまた辛いんですねぇ・・・。私のせいだ、と自分を責めてしまうので。いや、きっとその通りなんでしょうが、なかなかどーんと構えていられません。わが子の手術って、いつか”慣れる”ものなのでしょか・・・?

まあ、夜中こそ泣いてへばりついてくる可愛いムスメですが、起きている時は可笑しいぐらい魔の2歳児全開です。最近では欲しいおもちゃがなかなか取り出せない時など、えーえーとぐずって大声を出したり(取り出せた瞬間ガハハと笑う)、オムツ換えを阻止しようときかんぼうな顔をして足をぶんぶん振り回したり、pocoyo(お気に入りアニメ)を見せろとべそをかいて見せたりの百面相。

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この方、どことなく凛々しくなったと思いません??

超厄介なのは歯磨き。ああ、世のお母さん達は一体どうやって子供の歯を磨いているのだろう・・・と途方に暮れる日々です。歯ブラシを近づけようものなら、手を伸ばしてきてぺんぺんと私を叩く(!!)。「叩くのはいけないこと」とちゃんとわかっているので、最初はぺちぺちと手加減しているものの、ノッてくるとビタンビタンとかなりの力で痛いったら!!

先日はリハビリセンターで言語訓練士さんを叩いたそうで、彼女が「保育園でもお友達を叩いているの?」とたずねたところ、ムスメはぐいっと力強く頷いたそうな。なんてことっ!!

私的にかなりやめてほしいのは、鍵好きなこと。お外から帰ってきて道路に面した1つ目のドアの鍵を開けようとする度に、それをよこせと大騒ぎ。「ママが鍵開けてからね~」と地団太を踏むムスメを横目に大急ぎでドアを開け、一緒に中(玄関に通じる通路)に入るものの、中に入ってからが長い・・・ドアにへばりついて、自分で鍵を鍵穴に入れようと頑張ってみたりして長いことそこを離れようとしません。

手荷物を沢山ぶら下げてうんざり気味の私が「おうちに帰って猫ちゃんと遊ぼうか」とか「pocoyo見ようか」などと猫なで声を出してなんとか玄関先まで連れて行くものの、そこでまた私が玄関の鍵を開けるためムスメから鍵を取り上げると「あ~~~!!!」とダダこね開始!!最近ではどしんと座って、足を一杯一杯に開き、床すれすれまで顔を伏せて嘘泣きするのが大ブーム(爆)!!この超子供らしいポーズに思わず笑ってしまうのですが、さすがにこう毎度同じリアクションされると疲れます

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買い物から帰ると袋の山めがけて一目散!!

片っ端からビニール袋を開け、中身を取り出す

”お手伝い”もマイブーム。

・・・ママ一人でやった方が早いけどね・・・・。

更にムスメが最近はまっているのが物を投げること。いや~、手に掴むもの掴むもの、最終的には宙を舞ってぶっ飛んでいきますからね。しかも段々飛行距離が伸びている!!保育園でこれをやったら他の子に当たって危ないので、私もかなり口酸っぱく言うんですが、全く聞く耳を持ちません。本人的には相当楽しいようで、どうしたものかと目下悩み中。

この「ダダこね&聞く耳持たず」が度を越すと、私にがつーんと叱られることももう知っているムスメ。最近では一言「ママ怒るよ?」と言うだけでパタっと動きを止めます。そして「分かった?」と聞くと、ぶんぶんと頷いてみせる。ここでちゃんと事態が収まるなら和平交渉成立なんですが・・・

ここで分からない時は「いい加減にしなさいっ!ごめんなさいは?」と言わざるを得ず、この「ごめんなさいは?」というフレーズが大嫌いなムスメは、言われた瞬間に顔をくしゃくしゃにしてしゃくり上げ、ふえ~~~~~~~んと泣き出すことに。大きな声で叱られるよりも、「ごめんなさいは?」が嫌なのは、本当に悪いことをした、という気分になるからなんでしょうか。

泣きながら頭をぺこぺこと下げて、ごめんなさいがちゃんとできたらママとぎゅーっと抱き合って仲直り。次の瞬間にはもうけろっとした顔して遊びをせがむ、子供の立ち直りの早さが羨ましいぐらいです。叱った後のママの後味は悪いのにぃ~。

この2年と4ヶ月、子育てをしてきて頭にきたことや腹を立てたことなんてほとんどなくて、同じく子育て中の多くの友人から「わが子ながらホントむかつく」「怒鳴ってばっかりで後から反省する」なんてコメントを聞くたびに「ほ~、そんなものか」と不思議な気がしていましたが、今になってようやく”母親の苦悩”ってものが分かるようになりました。

それと同時に、自分が本当に我慢できないことも段々わかってきました。

それは・・・汚される、散らかされる、壊されること・・・。

こんなの小さい子だったら当たり前にすることなのに、ダメですね、相当自分の中でストレスたまるのが分かります。それをムスメに見せないようにする、また、あまり散らからないように片付けながら遊ぶようにするのが一苦労です。

私の大好きなブロガーさんの子育て記を読んでいても、お子さん達はのびのびと遊び食べをして、髪の毛から洋服からべたべたにしていたりして、そんな姿がまた良かったりするのに、いざ我が子、我が家となると、きゃ~っと叫びたくなってしまう。自分の人間としての小ささに、我ながら情けなくなります。

パパなんてお仕事からの帰宅後、きゃっきゃと遊んであげるだけで役得だな~・・・・なんて、これまた世のお母さん皆が思うだろうことを最近感じるようにもなりました。反して母は、顔を洗ったり、歯を磨いたり、オムツを取り替えたり、髪をとかしたり、ムスメが嫌がることをぜーんぶしないといけない。

・・・あー、きっと私の母もおんなじようなことを感じて子育てしてきたんだなぁ・・・。お母さん、そんな母の気持ちも知らずにいっぱい反抗してごめんなさい、そしてありがとう、と、ちょうど日本では母の日だった今日この頃、しんみり思ったのでした。

ともあれ、こうして母の苦悩が分かるようになったのも、ムスメが順調に成長しているおかげです。自我が芽生えて、自分のやりたいことを主張できるようになって良かった。嫌なことを嫌だと意思表示できるようになって良かった。あんまり”ダメダメママ”にならないように、私の方こそもっともっと成長しないとです。

2週間後の手術が終わった時、ムスメがどんな表情を見せるのか心配ではありますが、両手包帯ぐるぐる巻きで恐らくものすごくストレスを溜めるだろう我が子を、大きな心でどーんと暖かく包んであげないと・・・。