アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

ムスメ2歳6ヶ月

今月20日でムスメが2歳6ヶ月になりました。

身長95センチ、体重12キロ800グラム。もともと背の高い子でしたが、最近オムツを取り替えている時など、なんでこんなにでっかい子が未だにオムツはいてるのよ??とシュールにすら見えるほど、縦に長~い女の子です。

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たった2年半生きただけで、身長168センチの私のお腹まで届いている・・・!

どんだけでっかくなっちゃうの??

2歳半の記録、まずはこのオムツとおトイレ事情から。

数ヶ月前にトイレトレーニングのことをちょこっと書きましたが、その時は確か「トレーニング8割がた終了~」なんて浮かれていたんでした。ちゃんと「おしっこ」と教えてくれて、おトイレでできていた時期は実際あったんです。ところが、ある日を境に全然教えてくれなくなりました。教えてくれてもにたりと笑って事後報告だったり・・・。

それは恐らく、トイレとオムツを比較検討してみたところ、オムツでしちゃうほうが断然楽ってことに本人が気がついたからです。下手に「おしっこ」とママに言うと、遊びを中断させられてトイレに連れて行かれ、ズボンだのパンツだのを脱がされて便座に座らされ、その後またパンツだのズボンだのを履かされて、もー超面倒!!!って思ったみたい。まぁ、慣れないうちは確かにそうだよねぇ。

そこに来て2月から保育園が始まり、園児たちにもまれて大興奮。おしっこだのうんちだのパンツだのトイレだの言ってる場合じゃなくなっちゃったのでした。そのまま冬に突入し、第1回トイレトレーニングは尻つぼみのまま終了。現在真冬のアルゼンチン、次の夏を待って再開か?ということで今に至ります。

オムツもでっかくなってくるとお値段も半端じゃない。我が家このままじゃオムツ破産しちゃうよ、いいの?と涙目でムスメに訴えかける今日この頃です。しかもうちの子、私の家系から来ているのか便秘症。うーんと頑張ってもちょこっとした出ないもので、何度も何度もオムツを替えているとゴミ箱があっという間に一杯になってしまってエコじゃない。日に日に第2回トイレトレーニングへの情熱が高まる母なのでした。

さて、この数ヶ月間で目覚しい変化があったテーマと言えば、食事。ピューレ状にして胃ろうから与えていたご飯を、少しずつ口から食べさせるようにはしていたのですが、その量が劇的に増えてほとんど完食できるようになったのが1ヶ月ほど前のこと。そこで次のステップとして、少しだけ固形物が残るぐらいにすり潰した食事を用意したら、多少時間は掛かるものの上手に飲み込めるのが分かりました。それならと、ふわふわのマドレーヌをあげてみたら、その美味しさに目から鱗って感じで大喜び。柔らかめのクッキーやママお手製のケーキなんかも大好きになりました。

でもここで問題が。アルゼンチン人の多くが大の甘党で、こんなの甘すぎて飲み込めないってぐらいのお菓子を朝から平気で食べたりします。うちのダーリンもそう。朝からキャラメルの挟まったお菓子(しかも全体がチョコレートコーティングされてる)とかパクパク食べちゃう信じられない人。そして甘いものの世界を知ってしまったムスメに、何でもかんでも与える与える・・・

「ちょっとそんなものあげないでくれる?味覚がおかしくなる!」と家庭内紛争勃発です。

教育や躾を巡る夫婦間の諍いって、同じ国籍同士の夫婦でも大いにあることでしょうが、国や文化・習慣を跨ぐとまたややこしいことこの上ない。甘いものをパパに沢山もらってすっかりご飯に興味を失いつつあったムスメに、悪戦苦闘しながら夕飯を食べさせているところへ、「チュペーテ(ぺろぺろキャンディー)があったよ~!食べたいか~い?」と走り寄ってきた時には私の堪忍袋の緒がぶっ飛び、以来、「食」に関しては一切介入すべからず、という厳しい掟を敷きました。

それでも、日本のようにおせんべいがあるわけでもなし、間食にししゃもとかあげられたらどんなにいいか(私も食べたい・・)と思うけれどそんなのもここにはない。おにぎりはまだ飲み込めないし、おやつが果物か甘いものばっかりになっちゃうなぁ・・・と思っていた矢先、自然食を扱うお店でお米のクラッカーを発見!母子共にはまりました。お味は、あの子供向けおせんべいのハイハインそっくりでとっても美味しい!!甘いおやつにちょっと飽きていたムスメのお気に入りになりました。

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しっかりおやつ握り締めてマス。この日はおやつ&i padでポコジョを見せてもらって大満足。

食事で最近ムスメがはまったメニューは、タラのムニエル、ブロッコリーのクリームリゾット風、野菜のスープなど。野菜スープはしっかり煮込んであげればコロコロに切ったにんじん、ジャガイモ、かぼちゃ、インゲンなど普通に食べられます。お魚はそのまま口の中で崩れるので食べるのが簡単らしく大好き。ご飯も少しだけ玄米を混ぜてやわらかく炊き、ブロッコリーと合わせて火を通した後、生クリームを混ぜて軽くフードプロセッサーにかけます。

そう言えば、先日ムスメがこのメニューだったのに、ダーリンには冷えた白米を出したところ(鬼嫁)、口を尖らせて「そっちの方が美味しいんだけど~」と文句言ってました。あははは、本当だ。

でも、とにかく準備に手がかかる&アイデアが必要なのは確か。取り分け食でもOKなメニューを出来るだけ考えて、飲み込むのが難しそうなものだけちょこっとFPをかけるように工夫しないと、2種類のメニューなんて毎日はとても作れません。昨日作ったコロッケとかだと、ムスメも食べられて皆と同じメニューでいけるので、そういうメニューを考えて増やしていく作業が必要です。って、これは世のお母さんが皆通る道ですね。

嚥下最後の課題は「液体」。やっぱり飲み込む時に咳き込むことが多いですし、これまで本人もあんまり飲みたがりませんでした。まだストローで「吸う」という動作も知らないので教えてあげないといけません。そこで、まずはストローつきの小さなフルーツジュースのパックを用意し、私がパックをぎゅっと押してあげて、ストローから自動的に出てくるジュースを本人がお口で受けるという練習から始めました。当初はストローを「くわえる」ことも知らずに、お口も開けっ放しでジュースもよくこぼれていましたが、ここ最近きちんとお口を閉じて、ごくごく連続で飲めるようになりました。すごいすごい!

「はい、あーん」と言ってご飯を口からあげられる喜び、そして「美味しい?」「好き?」と聞くと「うん」と頷いてくれるムスメを見る感動は言葉に尽くせません。スーパーでもお気に入りのマドレーヌやプリンを見ると手を伸ばして欲しがり、買い物の間中しっかり握っている姿はやっぱり「味」を知ったからのこと(以前は何にも興味がなかった)。そんな仕草がすごく子供らしくて可愛くて、見ていてとっても嬉しくなります。レジで握り締めているお菓子を取り上げるたび「うぎゃ~」と叫ばれても許せるぐらいです

お出かけに連れて行っても、クラッカーやパウンドケーキを持っていけば、はいっと食べさせてあげられるのも本当に楽。これまではヨーグルトなど半液状のものを常に携帯し、お腹が空くと洋服をまくりあげて胃ろうにチューブを繋ぎ、注射器であげないといけなかったので大変でした。食べ終わったらそれらの器具を洗わないといけなかったし、冬に洋服まくるのも寒いし、公衆の面前でこれをやると周囲の子供達の目が点になっていたものでした(笑)。

でも、こうした状況の変化に伴い、私の心配ごとと仕事もぐんと増えました。なぜならムスメは自力で食べられないから。通常の2歳児なら、はいっとお菓子をあげれば一人でもぐもぐ食べられるでしょうが、ムスメは肘が曲がらないため手が口に届きません。なので食事はもちろん、お菓子の時も私がつきっきりで口に運んであげなければなりません。手に食べたいものを持っているのに、それを自分で口に運べないもどかしさはムスメも感じていて、私がちょっとよそ見したり、立ち上がって料理していたりすると、「あ~」と叫んで食べさせてと催促します。それが不憫でならない。

食事に関しては将来的に自分でお箸やスプーンで食べられるようになるでしょうが、お菓子や果物なんかはどうするのかなぁ・・・とか、出先で何か勧められても、マイフォークとか携帯していないと食べられないなあ、なんて今から心配です。

医者からは、どちらかの肘の角度を変える手術をして片手だけでも顔に触れられるようにしないと自立できないと言われていが、そうすると今まで出来たことが逆に出来なくなってしまったりもするため、親としてそう簡単には決断できません。しばらくはムスメの成長を観察して、リハビリの訓練士さんたちとも話し合いながら、何ができるようになって、何ができないかを判断した上で考えていく必要がありそうです。

もう一つ、ここのところだいぶ進展があったのが歩行。まだ一人で歩くのはおっかなびっくりですが、家の中などよく分かっている場所ではユラリユラリと歩いては、方々でいたずらをしています。手を繋げばもの凄い速さでタッタカタッタカと行ってしまうので、時々勢い余って手が私の手からすぽっと抜け、ドテンと転んでびぇ~んと泣くことに。

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立って写っている写真もだいぶ増えました。でもまだまだ足が細過ぎ。もうちょっと筋肉つけないと

それにしても、手を繋いで歩いてお散歩できるようになったことが本当に嬉しいし、楽しい。まあ、まだ数ブロックしか歩いてくれませんから、下手に遠出をしてしまうと帰り道が全部抱っこになって、母は息絶え絶えで帰宅となりますが。それと、パパがいると駄目ですね。もう絶対に抱っこ、と譲らない。やっぱりパパの抱っこって週末限定品だし、高さ(187センチ)と安定感があって楽しいんでしょうね。ダーリンももちろんデレデレでOKしてしまうので、週末はあんまり練習になりません。

さて、2歳半になってもちっとも進展のないこともあります。それはおしゃべり。今だに口にする単語は「パパ」のみ。「ママって言って」と頼んでも、「パパ」と・・・。でも最近、「今パパって言ったの?」と聞くと首を振ることが。「じゃあママって言ったの?」と聞くと頷いたりするので、本人的には「ママ」のつもりだったりするよう。あんまりしつこく「ママって言って」と頼むと、「パーパーパーパーパーパー」とお怒りに。やっぱり本人が望んだ音が上手く出せないようです。

それにしても不思議です。こちらが言っていることはスペイン語でも日本語でもかなり正確に把握しているのに・・・。ついつい本人が話さないので、人の会話を聞いていて理解してるということを私自身がすっかり忘れてしまうのですが、先日もこんなことがありました。

リハビリに連れて行って訓練士さんに預けようとした時「今日はちょっと街中まで行かなくちゃいけないから、何かあったら電話してね」と早口でお願いしたところ、急にムスメが泣き出して、トレーニングルームに行きたくないと私にしがみついて大騒ぎ!リハビリに行くのも、訓練士さん達と”遊ぶ”のも大好きなムスメのこの反応にびっくりし、どうしてこんなに泣いているのかさっぱり検討もつかずに途方に暮れたその時、待合室に居た他のお母さんから「街中に行く、なんて言うからよ。置いて行かれるのがイヤなんでしょう」と言われてはっとしました。そっか~、全部分かっていたんだね。ごめんごめん。

家の中でも、私とダーリンが少しキツイ口調で言葉を交わすのを聞くと、ひょっとこのような顔をして「ウ・ウ・ウ」とおどけて見せ、仲裁に入るようになりました。私がムスメのそのお顔を見ていつも笑うのを知っているから。そんなムスメの”気遣い”を見て、ああ、ダーリンと喧嘩しちゃ駄目だ(少なくともムスメの前では)、と反省する今日この頃です。他の子よりもずっと手のかかるムスメを、いつまでも赤ちゃんのように思っていましたが、もうすっかり色んなことを理解する女の子になっていたのでした。

話し始める時期がかなり遅い、というのは他のアペールのお子さん達も同じようです。これも遺伝子にプログラムされていることなのかな。でも、一生口をきかないアペールの子もいないようなので、気長に待つだけか~と思っています。大事なのは、手段はどうであれコミュニケーションが取れること。

ムスメは話しこそしないものの、身振り手振りで自分の意思をかなりしっかりと相手に伝えることができます。言語訓練士さんからは当初、絵のカードを使うコミュニケーション方法を取りましょうと提案されていましたが、訓練が始まって半年以上経った今、絵カードは必要なしと判断されました。それも、ムスメのコミュニケーション能力が高いからだそうです。でもやっぱり、一日も早く「ママ」って言って欲しい(って毎回書いてますケド)。一体何年越しでその一言が聞けることやら。

本好きは相変わらずで、最近では本にまみれている時が一番静か。

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本棚の前で30分ぐらい無言で本を漁っていることもしばしば。しめしめ、と洗濯物を干しに行く母。ところが、戻ってきたらいつもこんな↓惨事に。

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※左はお片づけを命じられる前に逃亡中の図。右は呼び止められて振り向いたものの、足なんぞを上げてとぼけている図。

でも最近はなぜか夜寝る前の読書の習慣がなくなりました。保育園に通うようになってから、夜疲れていることが多いからでしょうか。かといって直ぐに寝付くわけでもなく、15~30分ぐらいの間は私の手を握ったり持ち上げらりぶらぶらしたりしながら静かにもぞもぞと遊んでいます。私が疲れて寝返りを打とうものなら、追いすがってきてぴとっとくっつき、手で私の顔をぐいっと自分の方に向けて、おでこをグリグリくっつけてきたりします。最近よくやるのは、私の顔のパーツの点検。特に睫毛を触るのが大好きで、飽くことなく両目の睫毛を触っています。自分の顔には手が届かなくて触れられないからかしら。

こ・れ・が・私の至福の時[emoji:e-328]。どんなに大変な一日でも、寝不足だったり疲れていたりしても、このムスメとのゴロゴロ・タイムがあるから一日頑張れます。

そして、欧米諸国に住む方にはびっくり仰天されることを告白しますと・・・・・実は最近、私とダーリン用のダブルベッドを、ムスメと二人で占領しています・・・[emoji:e-2]

この習慣、5月末にムスメがものすごく体調を壊して手術が延期になった時に始まり、今に至っています。と言うのも、うちの子は体調を崩すと気管カニューレの吸い取りを頻繁にしないといけなくて、あの時はそれこそ数分ごと、数秒ごとにしていました。そうなるともう私は夜通しムスメのベッドの横に張り付いていないといけない=当然一睡もできないことになります。そこで、私の横にムスメを寝かせ、吸い取り器をベッドの脇に設置して、いちいち起き上がらなくても良い環境にしたわけです。もちろんダーリンは居場所がなくなってセドリックの部屋へ。

ところが、完全復帰した後もムスメが自分のベッドに戻りたがらない事態が発生しました(ダーリン予想外の展開[emoji:e-286])。そもそも、日中は超パパっ子でも、夜8時を境に人格までがらりと変わってママっ子になるムスメ。この時間帯になると、もうパパなんて「へ」ってなぐらいで、パパが横にゴロンと寝転ぼうものなら手で払いのけ、キックをお見舞いしてパパ退治(?)。部屋から追い出してしまいます。ムスメがぐっすり寝た後にそっと子供用ベッドへ運んだことも何度かありましたが、自分のベッドに寝かされた瞬間に泣き出して大暴れ。全て失敗に終わりました。

日本では親子が川の字になって寝たり、お母さんが子供と寝るということも割りともあることでしょうが、欧米文化圏ではまずありえないことでしょう。それは躾という側面があると同時に、夫婦関係を重視することでもあります。ここアルゼンチンでも(多分ラ米全般でも)、夫婦が別の部屋で寝るようになったらもう終わりが近い、と言われています。だから我が家の現状はもちろん姑にも内緒です。知れたらきっと大騒ぎされてしまう。

私個人としては、ダーリンには申し訳ないけれど、ムスメとぴったりくっついて寝るのが大好き[emoji:e-349]。躾上も、我が家の場合はムスメの事情もあって別部屋で寝かせるのはまだ無理だし、ラテンアメリカではストイックに小さい内から子供部屋で寝かせるというのはあんまり一般的ではない印象です。むしろここら辺の国の場合は、べったりできる期間を最大限伸ばして、最大限べったりしているように見え、それも悪くないよなぁと思います。

まあ、いつの時点から一人で寝られるようになったかで人生そんなに大きく変わるもんじゃないだろうし、しばらくはこのままでいいかなぁ(このままいいなぁ)、なんて、ダーリンは泣いてますケド。

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ママの靴、スリッパ、化粧品、アクセサリー、ぜーんぶ欲しいヒト。

ムスメの成長は、全体的に見ていると他の子よりも1年か10ヶ月ぐらい遅い感じではありますが、ゆっくりながらも着実に色々と学んでいます。何よりこの冬は体調を崩すこともほとんどなく、ぱくぱくよく食べ、よく寝て、よく遊び、「まるで別の子を見ているよう」と色んな人に言われるほど元気で、家族みんなとても喜んでいます。あと1ヶ月もしたらまた春が来るし、そしたら今度こそ指の手術ができるかな?

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ダーリンのお父さんの誕生日。おじいちゃんの横で。