アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

8月の行事 その2 遠足

8月も終わりの29日、保育園で初めての遠足に行ってきました!

行き先は子供牧場。子供達に教育的な体験をさせるこうした牧場が、R市内には幾つかあります。牧場での活動メニューはだいたいいつも同じもので、ダーリンからは「牛の乳を搾るのか~」とか「子豚ちゃんに哺乳瓶でミルクをあげるんだぞ」なんて聞かされて、私の方がむしろ興奮していたぐらい。

唯一気になっていたのが天候。南米で8月って言ったらまだ寒いんです。なんで遠足を冬にするのかちょっと不思議に思っていましたが、当日集まった他のお母さん達も、「今年も冬にやるのねぇ。なんでかしら」とこぼしていたので、やっぱり皆同じこと思っていたんだ!とちょっとびっくり。毎年そうなら、父兄会でちょっと意見交換すればいいのにね。

さて当日。保育園内にママがいることに既に浮かれていたムスメ、他のお母さん、お父さん達も続々やってきて興奮度は高まるばかり。2階建てバスに乗るに至っては、なんだかよく分からないけど超嬉し~~とにっこにこ。思えばうちの子、そもそもバスというものにほとんど乗ったことがなかったのでした。

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前に座っていたのは偶然園長先生のお嬢さんでした(奥にいる方)。

こうして到着した子供牧場。まず最初のアクティビティはパン作り。長いテーブルにぎちぎちに並んで座った子供達が、パン生地をもらってこねるというヤツですが、何しろ粘土嫌いのムスメ、一切触りたがらず・・・(しかも頑固)[emoji:e-351]。見るに見かねた私が後ろから手を伸ばしてコネコネ。何とか形にしてトレイに返しました。

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パン生地に全く手をつけていないのはうちの子だけ・・・!!汗

さて、パン作りの後は牛の搾乳見学&体験(ダーリンが言ってた通り!)。ところが、大きな大きな牛さんを見て、その乳を握って絞るなんて勇気のあるちびっ子は一人もおらず・・・順番に近くまで連れて行かれては大泣きして退散を繰り返す子供達がなんだか可愛らしいやら可哀想やら(笑)。もちろんうちの子も、近くに寄るまでもなく大泣き。でも泣きながら牛の背中を3度ほど申し訳程度に撫でていたあたりが笑えました。

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牛にしたって「また子供かよ」ってな具合ですっかりお疲れのこの表情。

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お次は羊、ヤギたちのコーナーへ。運良く生後1週間のヤギの赤ちゃんがいて、これにもムスメも興味深々。先生の抱っこするヤギちゃんをおっかなびっくりなでなでしたのでした。でもヤギの赤ちゃんって可愛いケド、やっぱり目がちと怖いのよねぇ。

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この後は子牛にミルクを飲ませるのを見学するとか、子羊と戯れるとかいくつかのコーナーがありましたが、ムスメはそのいずれに興味を示さず・・・と言うよりも、近寄りたがらず、迎えました、本日のハイライト!子豚ちゃんに哺乳瓶でミルクを飲ませるコーナー[emoji:e-272]!!

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これは子牛にミルクをあげている図。ここまでは可愛かった・・・。

ところが、えええええ、豚ってコレなのぉ????そこには我が目を疑うほどでっかくて(100歳超えてんじゃないの?)、毛がぼさぼさで、汚い巨大豚が待機していたのでした[emoji:e-350]。しかも、哺乳瓶を近づけると、咥えてミルクを飲むと言うよりも、哺乳瓶そのものを食っているようにしか見えない。これってもう、ほとんど恐怖の図ですよ!!

案の定、ムスメも多くの子供達もビビッて近寄れず。結局牧場側の担当者が「は~い、ミルクのみまちょうね~」なんて可愛らしく言いながら(その表現と豚の恐ろしげな姿のギャップが凄かった・・・)、哺乳瓶に食らいつく豚を相手にしているのを遠巻きで見ただけでした。私なんて、あまりにもびっくりして写真を撮るのも忘れていたぐらい(爆)。ああ残念。あの凄い豚&哺乳瓶の図をお見せしたかった!!

でもね、牧場は生き物の世界ですから、そんなにいつも都合よく赤ちゃん豚がいてくれるわけないんですよね。まあそれにしても、あの豚よりももう少しだけ若い豚を用意してくれてもいいんじゃないかとは思いましたけど。子供達の脳裏には、豚=でかい・汚い・怖い・哺乳瓶を食らう、という記憶が焼きついちゃったんじゃないかなぁ[emoji:e-263]。

ここら辺からムスメが歩きたがらなくなり、抱っこ抱っこで私の腰にも限界が来て、ついにベビーカー登場。良かった、一応持って行って・・・。

さて、亀コーナーでは皆に亀を触らせてもらってご機嫌になったものの、アヒルコーナーでは腹ペコアヒルの突撃に言葉を失っていました。ちなみに双子ちゃんのお母さんは、アヒルの襲撃に泣き叫ぶ二人の女の子を両脇に抱えてアヒルコーナーを脱出すべく疾走していました!小柄なお母さんなのに・・・カワイソウ・・・。

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息も絶え絶えの親子たちが最後にたどり着いた場所は、可愛らしいウサギとモルモットのコーナーでした。ここでは子供達が地面にぺたんと座って、うさぎたちを手にして撫でたりすることができます。ムスメもここが一番気に入った様子で、黒い小さな子ウサギをにこにこしながら撫でたり、檻の中のモルモットや別のウサギも覗き込んだりしてご機嫌でした。

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やっぱり子供って自分よりも小さい生き物の方が断然好きみたいですね。こうやってつい小動物を買ってやってしまうのが親心なのでしょう。私も小さい時ハムスターをねだって”サンタさん”にプレゼントしてもらったものです。笑

この後ようやく昼食タイムとなり、外に設置された長テーブルに皆で並んで座ってご飯を食べました。今回の遠足では同伴を希望する親だけが参加していたので、仕事などで親がこれない子供達も沢山いました。でもみんなお弁当だけは持ってきていたのですが、、、ここら辺がすっごくアルゼンチン。お弁当の内容は皆同じで、市販のサンドイッチ&ペットボトルのサイダー。

そう、アルゼンチンではちょっとしたイベントの時のご飯が、なぜかサンドイッチなんですねぇ。誰かの誕生パーティーなんかに呼ばれて行っても、たいてい出されるのがこのハムとチーズのなんてことないサンドイッチ。しかもハムもチーズも限りなく薄い(でも割と美味しい。笑)。

実は今回の遠足は雨で一度延期になっていたのですが、この延期になった日こそ手作りのサンドイッチを用意していたものの、2度目の予定日(遠足が実行された日)にはまた延期になるかもしれないしな~、なんて私も市販のサンドイッチを買っていました[emoji:e-264]。さすがに2歳児の昼食にサイダーは持って行きませんでしたけど、ふーん、やっぱりこんなんでいいんだ、と改めて現状を認識した感じ。それはアルゼンチンの食文化の貧しさを改めて実感した瞬間でもありました。

まあ親としては楽ではありますけどねぇ。日本の遠足や運動会のお弁当なんて、お母さんたちはキャラクターの顔のおにぎりだとか卵焼きだとか作って大変&凄いですもんね。私自身の子供の頃の遠足弁当をちょっと懐かしく思い出したりもしました。他の子たちとあんまり違うこともさせたいとは思わないけど、でも日本的な楽しい習慣も少しは取り入れてあげたい。今後、どこまでどうしたらいいのかな、と考えさせられるところも多くありました。

ご飯の後は公園でちょこっと遊んで、くったくたになった親子たちはいざバスへ。バイバイ牧場!また今度ね!!

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帰りのバスの中ではもちろん撃沈。バスが動き始める前に、既に深い眠りの世界へ落ちていきました。そしてバスが動き始めた頃には、私もまた一緒に夢の中へ・・・。

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ムスメがこうして保育園の遠足に参加できるぐらい大きく元気になったことは、未だに夢みたいで感動で一杯です。そして実はそこには、私達の後をそっと付いて来ては手を貸してくれた先生方、特に園長先生の存在がありました。私が抱っこしてくたくたになったところを見計らって「ベビーカー持って来ようか?」と取りに走って行ってくれたのも園長先生でした。

今回のイベントで、他のお母さん達と知り合えたことも良かった。特にあの双子ちゃんのお母さんとは、お互い条件は違うものの、「ちょっと人とは違う育児」で苦労しているところで何となく通じるものがあり、見学コースを歩いていく間にもお互いに手を貸し合ったりしました。バスの中でも食堂でも、ムスメを避けるような子もいなかったし、特に朝の集合時にはみんながムスメに手を振って挨拶してくれて、改めてじ~んとしてしまった母なのでした。

で・も・この翌日からムスメはばっちり体調を崩し、丸1週間保育園もリハビリも休む羽目になりました[emoji:e-286]。その後、一度は回復したものの、保育園に復帰した途端またしても別のウイルスをもらってきたようでダウン。今日に至ります。

そろそろ18日の手術に向けて本格的に体調管理をしないといけないのに、こんなに病気続きでどうしよう!!!ここ連日、冬なのに蒸し暑く、しかも雨続きのせいで蚊が異常発生するというおかしなことになっているアルゼンチン。大人まで体調を崩す陽気でますます難しいことになっていますが、手術まで10日を切った今、何としてでも元気になってもらわないと・・・!!!