アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

初バケーション3 ~山登り&ラ・クンブレシータ編~

1月30日水曜日にも川遊びに出かけましたが、この日の午後は男子諸君がとあるアクティビティを計画していました。それは、滝までの山登り。往復2時間ぐらいで行けるらしいとの情報を入手してきた二人は、午後のシエスタでムスメが寝ている時間を利用して、ビーサンから運動靴に履き替え、水のボトルを持って旅立って行きました。

私はスヤスヤ眠るムスメの横で一人静かに本を読み、午後を満喫。今回旅に持っていったのは、だいぶ前に読んだ「ワイルドスワン」の上中下巻の3冊。久しぶりに紐解いてみたらやっぱりとっても面白く、ページをめくる手が止まらない止まらない!!夢中で読んで、完全に本にのめりこんでいました。

ところが、はたと気づいたら男子達が出発してから既に3時間以上も経過しているじゃありませんか。お!これは何かあったのか?と少々心配になったちょうどその時、私の携帯電話が鳴って「もうじきホテルに着くから」とダーリンの声。その直後帰ってきたガリガリ君二人はくったくたにくたびれ果てていたのでした。

話を聞いてみると、地図を見ているだけだと滝までは比較的近い、ところが蓋を開けてみたところ、道無き道をいくような感じだったそうです。小川を渡るために石の上を飛び移り、倒木をまたぎ、とても2時間で行って帰ってこられるような場所ではなかったと。こういうのって地図の落とし穴なんですよねぇ・・・。

話を聞いていて、私がかつてメキシコに住んでいたころ、当時アルゼンチンに住んでいたオーストラリア人の友人を訪ねて初めてこの国にやって来た時のことを思い出しました。バルデス半島に鯨を見に行こうと、彼と私の友人と道中仲良くなったスコットランド人の男の子と4人で自転車をレンタルして岬へ向かったものの、地図で見たら結構近かったはずの場所へは、高低の激しい石ころだらけのガタガタ道しか通っておらず、上り坂では自転車を降りて押して登り、下り坂ではガタガタと揺れる自転車の座席にお尻が痛くなって座ることもできなくなり(数日間痛みが続いた・・)、酷い目に遭ったんでした

31日木曜日は朝からの雨。それでも午後になって雨もやみ、涼しい風が吹いて気持ちが良かったので、この「滝への道」なるものの入り口まで4人で歩いてみようということになりました。「滝への道」の正式な入り口にたどり着くまで、まず30分ぐらい登り坂を歩いていかなければなりません。ムスメを連れて行けるのかなぁと心配でしたが、「景色も綺麗だし、登った先にはカフェテリアもあるから、そこでビールでも飲もう」、というダーリンの誘いに負けて行くことに。

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道や景色はこんな感じ。登りの勾配もそんなにきつくなかったし、歩く分には全然大変じゃなかったけれど、石ころの多い道をベビーカーを押して歩くのが一仕事でした。結局ムスメがベビーカーに乗ったのなんて数分だけのことだったし、「僕が押していく!」と頑張ってくれたセドリックも、最後の方には「なんでベビーカーなんて持ってきたんだよ。全然使わないじゃん」とダーリンに文句言ってました(当然だ)。なんかもういつ壊れてもおかしくないほどくたびれてしまった我が家のベビーカーですが、ここまでくると不死身とも言えそう。

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日本の小学校に通っていた人ならきっと誰もが「小学校の遠足よりも楽だ」という程度の道のり。でも小さい子がいるとやっぱり時間が掛かりますね。まぁ、その分のんびり景色を楽しむことができましたが。日本ではよくある景色のような気もしますが、平坦なR市に住んで5年、こういう勾配のある道を歩くことも、遠くに山を臨むことも久しぶりで新鮮でした。

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ガンバルお兄ちゃん。大変だったねぇ、ずっとベビーカーを押して登ってくれて。でもね、ホテルに戻ったらちゃっかり「ベビーカーを運んだんだから、テレビを1時間多く見させてくれ」と交渉してきました。侮れません、9歳児!!

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そして「滝への道」入り口に到着~~~!!大して高い場所でもないから絶景ってわけでもなかったけど、家族みんなで登ってきたという達成感はありました。で・も・、頂上にあるとそそのかされて言われていたカフェテリアはなんと休業中。ガーーーーン!歩いて、たくさん汗をかいて、喉も渇いて、キュ~っと冷たいビールが飲みたかったのに、結局手持ちの温い水を飲むしかないだなんて・・・大ショック!!!一応、閉まったカフェテリアの入り口で記念撮影だけはしてきましたケド(涙)↓。

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さて2月1日金曜日はかねてから行こうと計画していたラ・クンブレシータへ行ってきました。ラ・クンブレシータとは通称「ドイツ人村」と呼ばれるこじんまりとした美しい集落です。第2次世界大戦後に移り住んできたドイツ人移民が作った村として有名で、ドイツ建築様式の家々が並び、ヨーロッパの雰囲気が味わえる場所として人気です。私達が泊まっていた村からはバスで1時間半の場所にあり、小旅行気分で出かけました。

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村の入り口には水浴びもできる小川も流れ(↑写真左、橋の下)小さなお子さんでも遊べます。私達が到着した時には、多くの家族連れがお弁当を広げてランチを楽しんでおり、私達もそこで腹ごしらえをしてから坂道を登って行くことにしました。

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町並みはこんな感じ。道端に咲き乱れる色とりどりの野生のダリアも、この集落の美しさを一層引き立てていました。

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集落の細い道はアスファルトではなくて土。この村の中には車で入ることは出来ません。住民300人程度のこの村は、ツーリストは受け入れるものの、大挙して訪れる客達に村の景観を壊されないようにと様々な配慮をしているようです。私達もこの土の坂道を登って、滝つぼまで歩いて行きました。もちろんこの日もほとんど使わないベビーカーを押しながら・・・ま、荷物運ぶのに便利だからいいんですけどね。

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滝つぼで泳いだセドリックは、水の冷たさに紫色の唇を震わせて戻ってきました(爆)!滝から落ちた水が流れて行く先には、緑に囲まれた静謐な空間もありました。こうして暑い中坂道を登って汗をかいた体を冷やし、たっぷり緑を満喫してから来た道を戻りました。バスに乗る前にはカフェテリアで一休み。

さて余談ですが、山羊座のムスメの「幸運をもたらす石」はトルコ石だそうです。それはかねてから私の一番好きな石でもありました。私は特に信仰は持ちませんが、なんとなくそんな偶然が気になって、ムスメが生まれてからはほぼ常にトルコ石のついたアクセサリーを身につけてきました。今回、初めて一緒に旅行したこと、そして指の手術を受けてようやく指輪がつけられるようになった記念にと、ムスメに小さなトルコ石のついたシルバーの指輪を買いました(と言っても今は私が身につけていますが)。いつかムスメが大きくなったら、今回の旅行の話を聞かせてあげながら、この指輪をプレゼントしてあげようと思って。

旅行最終日はバスが夜出発だったので、最後の川遊びへ出かけ、夕方には荷造りをし、夜9時ごろにホテルを後にしました。帰りのバスでは座席が思い切り倒せる最後部の席が当たり、遊びつかれたセドリックは即撃沈。ムスメももうバスにも慣れたようで直ぐに安らかな寝息を立て始め、私もそんなムスメの横で、初旅行が無事に終わったことに胸をなでおろしつつ、家で待っている猫君を懐かしく思いながら眠りについたのでした。

大変だったけど、楽しかったね。次はどこへ行こうか・・・?

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〈終わり〉

※おまけ

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お土産物屋さんでサンプル商品に触りまくり、「駄目ッ!」とパパとお兄ちゃんに止められてへそを曲げたムスメが、店内の床に座り込み、靴を脱いで抗議している図(爆)。