アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

ちびっこ達の今日この頃

突然ですが、四十肩です。

数ヶ月前にキッチンの壁のペンキ塗りをした辺りから両肩が痛みだし、筋肉痛かと放置していたら痛みはどんどん激しくなり、気がつけば何ヶ月もの間その状態が続いていました。これってもしかして四十肩???と、十数年前同じような症状にひぃひぃ言っていた両親を思い出して顔面蒼白に。四十肩は年齢を意識させられる症状ですよねぇ・・・・。これで老眼が出始めたら相当凹みそう。

ここのところ色々と重なって大忙しで、更新を怠っておりました。本当はCalle 13の続きを書きたいと思っていましたが、我が家のお子様たちがぐんぐん成長を遂げているため、今回は近況報告です。

PA273492_convert_20131101022406.jpg     PA273493_convert_20131101022545.jpg     

なにやら二人で準備していると思ったら、「写真撮って~」だって(笑)。にぎやかで楽しそうねー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3歳9ヶ月になるムスメは、ようやく体重14キロを突破しました

ふ~、長い道のりだった。13キロ台になってからも、風邪引くたびに12キロ台まで簡単に落ちちゃうし、身長だけは相変わらず103センチと高いので、骨の浮き出た体を見ては深いため息をついてきましたが、ご飯もおやつもようやく少し量を食べるようになったので一安心です。

彼女の鬼の記憶力は今も健在で、最近ではしきりに動物図鑑を読め読めと催促していましたが、その結果相当マイナーな動物も含め名前を覚えたよう。ある日私が「ベイサオリックス」を「アラビアオリックス」と間違えて言った途端、ぴたっと動きが止まり、首をぶんぶんと横に振って訂正されてしまいましたから。・・・マニアック過ぎ。

このところ文字にも興味深々で、スペイン語、日本語とも母音の5文字はあっさり覚えました。単語なら「パパ、ママ、自分の名前、セドリック」の文字は両言語で知っています。なので、道を歩いていても看板の文字を見つけては「アー!」とか「イー!」とか突然叫んでは私と周囲の人の度肝を抜きます。実は文字をきちんと読んでいるんですが、知らない人から見たら「この子、大丈夫??」って思われちゃうことでしょう(笑)。

そんな気になる文字を”書く”ことにも徐々に興味を示し始め、ある日「I」と書いて「イー!」と見せに来ました。その後には「O」も書けるようになり、先日はちょっと怪しい「U」を見せに来てくれました。

PA183478_convert_20131101022701.jpg     PA183479_convert_20131101022803.jpg

これが先日「うー!」と言いながら見せにきてくれた、ムスメ初めての「U」。母感涙ですっ。

でもこれって偶然書けたみたいだと、後日判明(笑)。

発話もものすごくゆっくりながら進歩しています。とにかく耳で聞いた音をそのまま口から発音できないため、単語の一音一音口伝えで練習させ、覚えさせ、それでようやくもにゃもにゃと言葉らしきものになるという、亀の歩みのごときプロセスを経なければなりませんが、本人的には言葉を発して理解してもらえる嬉しさを体感しつつあり、意欲は旺盛です。

やはり口の中の構造が私達のそれとはだいぶ違うので、私の出す音をどうやったら出せるのか、一生懸命試して探す姿にいつも心打たれます。それはだいぶ難しい作業のようだし、鼻音のN、M音、喉の奥で鳴らすK、G音のようにどうやっても出せない音もあります。鼻は通っていないし口蓋裂もまだあるから、構造上どうしようもないみたい。数年先の顔面の手術と治療が終わるまでは相当苦労するだろうし、それまでは”おしゃべり”って感じにはならないかもしれません。コミュニケーションは他の方法でちゃんと取れているのが救いですが。

            

最近のマイブームは筆で絵を描くこと。毎日1度は必ずスモッグを着てお絵かきをねだってきます。ジグゾーパズルなんかも以前よりも上手に手を使って出来るようになりました。相変わらずi pad が大好きで、今ではyoutubeを開いて好きなビデオを見るだけじゃなく、写真やビデオを撮ったり、それを再生したりも一人でします。画面上のキーボードで文字を書こうと挑戦中ですが、こちらはまだまだ怪しい。

でも、今は何よりもとにかく体を動かしていたいみたい。脚力がついてきた分、トタトタとそれなりの走りができるようになり(左右にぐらぐらしていて怖いケド)、本人もそれが楽しいのでしょう、我が家の長い~通路に出ては、パタパタと靴音を響かせながらボールで一人遊びをしている姿が愛しいです。

P9223415_convert_20131029210902.jpg     P9223416_convert_20131029211859.jpg

最近では、友人の息子N君(1歳半)と遊ぶのが好きで、追い掛け回して遊んで(もらって?)います。以前は他の子にあまり興味を示さないか、示してもどうやって関わったら良いのか分からない様子だったので、こうして積極的に遊べるようになったのは大きな成長の一つと言えます。身体機能だけで言えば小さいN君の方がむしろ高くて、トコトコとかけって行くN君を追いかけて、ひょろっと背の高い娘がフラフラ走る姿が可笑しい(笑)。

PA273498_convert_20131101020834.jpg     PA273500_convert_20131101020744.jpg

N君と並んで座っているだけで嬉しそうなヒト。

さて、親ばか全開で告白すると、これまでムスメって本当に聞き分けの良い子で、私が叱らないといけない場面ってほとんどありませんでした。いたずらな顔してやる”悪さ”なんて、棚からタッパーを引っ張り出したり、キッチンペーパーをむしるぐらいで全然大したことなく、ドアに手をはさむとかストーブに近づくとか、危ないことは一度注意したらまずやらないお利口さんでした。

でもここに来て、人の言うことを聞かないで知らん顔しているとか、誰かがドアを開けようとしたら反対側から閉めるとか、片付けなさいと言うと逃げていくとか、嫌いなことをやらされそうになると床に寝転んで抵抗するとかいう場面が出てきましたっ!保育園でも先生の言うことを聞かない、テーブルに足を乗せる、おやつ時にお皿を床に落とすなんてことをしていると、付き添いのCに言われました

リハビリの訓練士さんからも「今日はちょっと叱ったわよ。知らん顔してたけど」と言われて冷や汗。そう、ムスメは叱られてもぎりぎりのところまで絶対に泣きません。憎らしいほど笑みを絶やさず平気な顔をしているくせに、一線を越えた途端ふぇ~~~~~~~んんんんんと大泣きしてしがみついてくるのがいつものパターン。

その一線とは、「パパが怒って”NOOO!”って言うよ」の一言なんですが、それでも、「パパが怒って・・・」ぐらいまではニヤニヤしてる。「NOO・・・」と言いかけると途端に顔がクシャクシャになって泣き出す(笑)。この強情さ、言うまでもなく生みの母のワタクシから来ているのでしょうから、文句は言えません。

反抗することが楽しいのも自然な成長過程だから良いな~、と個人的には少し安心もしましたが、お外での態度はここら辺で改めさせないと助長しそうでちょっと心配。うちのダーリンは子供を叱ることが本当にできない人なので、ここは私が損な役回りを買って出ないといけなさそう。不公平だなーーーー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、我が家のもう一人のお子様、10歳のセドリックは、そろそろ”お子様”扱いを嫌がる難しいお年頃になりつつあります。個人的には中学生ぐらいからが反抗期?と思っていましたが、こちらの国ではそれがかなり前倒しでやってくるよう。聞いてみたところ、反抗期は11歳ぐらいから始まり、思春期を経て20歳ぐらいまでは難しい時期が続くと誰もが口を揃えて言っていました。11歳か~・・・早くない??

もともと早熟なセドリックには、その反抗期が更に1年前倒しでやってきた模様です。週末など家族で外出する時に同行したがらず、一人で家に残るか、近所のお友達F君の家に入り浸ってゲームがしたいとごねるようになり、これまでの家族の行動パターンが通用しなくなってきたのが、まずは顕著な変化の一つでした。

日本では10歳児のお留守番って普通にあるのかなぁ。色々あっても治安のいい国だし、あるかもしれませんね。でもアルゼンチンの良識ある親なら、10歳児を一人で半日家に残したりはしません。しかもパソコンとF君がいないと何をしたらよいか分からないような最近の彼を一人にしたら、一日中ゲームしまくりなのは目に見えています。

この「ゲーム漬け」という現象も、現代ではもう万国共通で仕方のないものなのかどうかが知りたい。朝起きてきたらまずPCの前に直行する。私が使っていたりすると、周囲をウロウロしては「まだ使うの?」と聞いてきて鬱陶しい。自分の部屋には山のような本やゲームやおもちゃがあるのに、もう今ではPC無ければやることなしになっちゃっていることが本当に残念です。

P9283428_convert_20131029211413.jpg     P9283430_convert_20131029211946.jpg

針金細工のマニュアルとビーズのセットをプレゼントにもらって、自分で作ったハチとトカゲ。

こういうのが好きっていう彼の繊細な感性が私は好きなんだけどな。

私に対してはまだまだ態度はいい方ですが、男親であるダーリンに対する対抗心もこのところ物凄い。先日、庭の大きな植物を抜く作業をした時も、自分一人でやれると主張し、ダーリンの手を払い除けて大奮闘(爆)。あまりの頑固さに手を引いたダーリンでしたが、あんなの10歳の子一人でできるわけないっ!結局ダーリンも途中参加し、ムスメまで庭に飛び出し、みんなで泥まみれになってようやく目的を達成しました。

PA063440_convert_20131029212942.jpgPA063441_convert_20131029214024.jpgPA063445_convert_20131029213905.jpg

一人で奮闘するセドリックと、遠巻きに見守るダーリン。最後にはムスメまで加わって大騒ぎでした(笑)。

自立心が芽生えてきて大いに結構なんですが、お父さんとか目上の人に対する態度がますます生意気になってきて、看過できないレベルです(汗)。まあ、もともとこちらの国では年長者を敬うという発想もないし、でもだからこそ、年齢関係なく友情が育まれるというプラス面も大いにあるのですが・・・でもやっぱり日本人の自分としては、ダーリンに対するセドリックの言葉遣いに待ったをかけずにいられない場面がここのところ増えました。

もう一つ、私がどうしても引っかかることは、彼の言い訳と嘘。自分の過去を振り返れば、子供なんてみんな嘘をつくものだと思いますが、やっぱり嘘をつかれる側に立つと嫌なものです(お母さん、ごめんなさい!)。しかもすぐにばれるようなアホな嘘には怒りを通り越して脱力します。歯を磨いていないのに磨いたとか、宿題やってないのにやったとか、部屋を片付けていないのに片付けたとか、ね。

注意された時、嫌いなことをするよう言われた時のふてくされた態度も、もう子供っていうよりも思春期の青年のものになってきたな~って、見ていてしみじみ。先日久しぶりにみんなでショッピングモールに出かけた時、遠目で彼を眺めていたら、両手をポケットにつっこんで背中を少しまるめて歩く姿が、今22歳のダーリンの弟にそっくりだと気がつきました。ひょろっと背も高くなって、もう2年もすれば私を追い越すでしょう。

そんなんで近々ピカ(セドリックママ)とお茶しに行こうと話しています。彼女も苦労しているから、一緒に対策を練ろうって(笑)。でも、彼の体の変化、心の変化に一番慄いているのは、実はセドリック本人のようです。ピカ曰く、最近体の匂いを気にしてデオドラントを使うようになったし、髪の毛の質も前より少し油っぽくなったと嫌がっていたそうな。先日は初めてのニキビも出て、そんなホルモンの変化に本人もかなり戸惑っているんだろうなぁ。

これからますます難しい時期がやってきますが、彼が上手に思春期を乗り越え、自分らしい道を模索しながら羽ばたいていけるように、私もダーリンもピカもピカのパートナーも皆でサポートしていこう、と話しています。出会った頃はあんなに小さかったのに、なんだか感慨深いものがあります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ムスメがリハビリに行く時はいつも送迎車に二人で乗りますが、数ヶ月前から抱っこじゃなくて隣の席にシートベルトをして座らせるようにしました。当初ムスメはそれを嫌がって抱っこをせがんできましたが、このところ外の景色を見るのに夢中で、ちっともこちらを見てくれない。それで先日私の方から「抱っこしよっか?」と尋ねてみたら、首を振って「ううん」と言われちゃいました。

その時、突然気がつきました。

母と子が歩んで行く道とは、途方もなく長い時間を掛けた”別離”のプロセスなんだって。

おなかの中で一つの体を共有していた命は、生まれて直ぐにおっぱいを吸って、ママの腕の中で眠って、、、でもそんな親密な距離感ってその後の人生において戻ってくることは二度とない。少しずつ距離が離れていく我が子を、「自分のものではない一人の人間」と認めて受け入れることこそ、どちらかがこの世から姿を消して”別離”が完璧な形になるまでの間、母親が果たさなければならない最も重要で、最も難しい課題なのかもしれません。

今日よりも明日の方が、少しだけ離れてしまうムスメとの距離。だから毎日、その時その時に許された親密さを大切にしていこう。

母親にしてもらって、人生で最高の幸せをもらったけれど、母親をやるのはなんだかちょっぴり切なくもあるねぇ・・・。ぐんぐん育つムスメやセドリックを眺めながら、そんなことをしんみり考えてしまう今日この頃のワタシなのでした。

PA063461_convert_20131101022904.jpg

おちび達よ、ゆっくり育っていっておくれ。