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ブエノスアイレス上京報告

本年もよろしく見守ってくださいなんてお願いしておきながら、日々の生活に追われて数カ月間も更新を怠っておりました・・・。2011年も半分近くが過ぎようとしているし、時間の流れの早さに全くついて行けてません

ものすごくものすごく書きたいことがたまっていますが、まずは記憶の新しい一番最近のブエノスアイレス上京のご報告から。

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すっかりでっかくなったムスメ。

現在1才4ヶ月、体重約10キロ、身長82センチ!

1月の胃ろう手術以来ムスメの調子が格段に良くなり、生まれて初めて長距離旅行にも耐えられるコンディションになったことから、去る5月16日~19日、かねてから希望していたブエノスアイレスへの旅を実行に移すことができました。目的は首都の専門医達の診察を受けること。勿論この町にもいいお医者さんはいますが、やはり首都の専門医達とは経験値に差があると常に指摘されていたのです。

このムスメの移動には大量の荷物が伴いました。薬類、ガーゼや蒸留水等の消耗品、胃ろうから流す食事の道具、調理済みの特別食等、3泊4日だけの旅行なのに、その荷物は引っ越しか、という状態。幸い今回の旅行は保険会社に申請を出し、承認を受けたものだったので、ブエノスまでの往復のタクシー、ホテルと3度の食事は全て保険会社持ちという極めて快適なものだったのですが。

専門医達の診察も、メインは保険会社お抱えの医師達によるもの。遺伝子疾患の専門医(genetista)、神経科医(neurologa)、外傷の専門医(traumatologo)、気管の内視鏡専門医(endoscopista respiratoria)、顔面専門の整形外科医(cirujano maxilofacial)の予約を保険会社が取ってくれていました。

・・・余談ですが、スペイン語の医療関係の語彙と日本語の単語がどうしても上手いこと噛み合わなくていつも苦労します。多分もっと専門的な語彙でちゃんと表現できる単語があるのでしょうが、いかんせん日本にいた時は病院とは無関係な人生を送っていたため、日本語で何と言うのか分からない・・・ということが多々あります。この専門医の肩書も日本語訳は相当あやふやですので悪しからず・・・(なのでスペイン語も併記しておきます)。

さて、実はブエノスアイレスにはガラハム国立病院という非常にレベルの高い医療機関(小児専門)があり、ここにはアルゼンチン全土からはもとより、中南米全域からも患者さんが訪れます。「公立病院での医療費は全て無料」というアルゼンチンのモットーはここでも健在で、どこの国からの患者さんでも、両親の承諾書がありさえすれば、詳細を問わずにどんな難解な手術・治療も引き受けるそうで(!)、それが同時にこの病院の経験・情報の多さと医療レベルの高さに繋がっていると言われています。

そしてこのガラハム病院にはなんと、多数の手術を受けなければならないアペール症の子供たちに対応するための特別チームがあったのです。

私たちもムスメ誕生以来ずっとガラハム病院へ連れていくことを望んでいましたが、とってもか弱かったムスメを連れての長距離移動が不可能だったため、今日まで実現できずに来ました。今回のブエノス上京も、本来はガラハム病院への訪問を目的に保険会社に申請していたのですが、保険会社的には自社の医療機関があり、医師たちがいるため、そう簡単には他機関へデリバリーしてくれません。私たちも保険会社の意向をぶっちぎって自腹でタクシーを雇ったりする経済的余裕もないため、今回は表面的には保険会社の指示通り行動し、空き時間を利用して個人的にガラハム病院を尋ねることにしました。

本来なら数ヶ月前から予約を取らないととても診察を受けられないガラハム病院へ、ほとんど飛び込みで訪れたにも関わらず目的のお医者さん達に見てもらえたのは、アルゼンチンのアペール症協会の助けがあったからでした。同協会の秘書のD(12歳のアペールの女の子のお母さん)に、私たちのブエノス上京について知らせたところ、だだだ~っと特別チームの専門医数名に個人的に連絡を取ってくれ、即座に面会の許可を得てくれたのです。

こうしてガラハム病院では神経外科医(neurocirujana)、 眼科医(oftalmologa)、主にくっついた指の切り離しを担当している整形外科医(cirujano plastico)に診てもらうことができました。

そんな訳で、ブエノス滞在ははっきり言って保険会社の方の診察とガラハム病院の間をタクシーで何度も往復する“診察マラソン”と化し、結構なハードスケジュールではありましたが、それでも久々に窓の向こうに流れる見慣れない風景を眺め、家事から解放されたホテル暮らしを堪能し、現実から少しだけスイッチが切り替わるいわゆる”旅行”が久々に出来て大感激!ムスメにとってもすごくいい刺激になったようで、旅行から戻ってから顔の表情に大きな変化が見られたりして驚きました。大好きなパパとずっと一緒にいられたのも大きかったのかな~。

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この満面の笑み!!

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Plaza del congresoにて。

各専門医による診察の結果は長~くなるので、次回ご報告します!!衝撃の新事実が山積みで、私たちもまだ頭の整理ができていませんが・・・。