アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

シーズン2012

2月1日、今年になって初めてブエノスのガラハム病院へ行ってきました。ムスメの指の手術について話をするためです。年内には指の切り離し手術が終了すると勝手に信じていた私たちは、この1回目のブエノス上京が”ザ・シーズン2012”の幕開けになるものと思い込んでいました。が、予想外なことにとんだ肩透かしを食らって帰ってきました。

と言うのも、執刀医になる予定の形成外科医Dいわく、既に今年の手術予定は一杯で空きがないため、2013年に手術しますよ、と。「次回は今年の12月に来て下さい」とあっさり言われ、言葉も無く診察室を後にしたのでした。

今回、D先生とはムスメの肘と肩の障害についても話がしたいと思っていました。これまで長いことペンディングになっていた腕の障害(固い右肩関節と両肘の固定)は、確かに脳の圧迫や呼吸障害に比べて命に関わる問題ではないけれど、ムスメの人生を左右する大事な問題であるとずっと懸念していました。なので、上半身の専門医であるD先生の初めての診察を私たちは心待ちにしていたのです。

ところが、肘についての質問には「さあね。もっと先にどちらかの肘を手術して、顔や頭が触れる角度に固定するんじゃない?」とだけ言われ、固い右肩関節についても「何も言えない」と、極めて短い回答しかもらえませんでした。

更に、以前他の外科医から「肩関節に関しては比較的簡単な手術で解決できると思う」と言われていたのですが、それを告げると「じゃあそっちの医者のところに行けば?」と・・・。その後、ムスメの手の写真を数枚パチパチとカメラに収めた後、「じゃあ12月に」とあっさりと部屋を出されてしまいました。

我が家を早朝4時に出て向かったブエノスアイレス。日帰り8時間の往復旅行の結果、この若いD先生との診察時間はわずか10分・・・・・・。

ガラハム病院が患者で溢れていることは重々承知していますし、彼ら医師団がプロとして素晴らしいことにも疑問の余地はありません。言わなければならないこと、言えないことをはっきりと口にすることも大事だと分かっています。

でも、、、患者や患者の家族も人間で感情があり、私たちに何かを告げる言い方は恐らく100万通りもあるだろうに、なぜ敢えてこんな態度、こんな物言いをするかな、、、と正直かなり後味の悪い思いをかみ締めながら帰路に着きました。

こうして、今年の手術の可能性がないことにショックを受け、帰りの車中ほぼ無言だった私たちですが、自宅に着いてダーリンと話しをしたところ、これまでの2年間手術続きだったのだから、1年間ぐらい全く手術がない時があった方がムスメにとってはいいんじゃないか、という話になりました。

特に今は、発話、歩行、嚥下と改善しなければならない課題が沢山あります。せっかく保育園も始まり、リハビリにも慣れてきたことだし、手術だ入院だと言って日々の活動がしょっちゅう中断してしまうよりも、手術を一年遅らせても継続した活動ができる年にしてあげた方がいいかもしれない、と。

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指がくっついていても、上手にブロックで遊べるしね。

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こんな素敵にシュールな車ができたよ

ただ問題は、来年は顔面骨延長の手術&治療が始まる可能性があること。もしこの大掛かりな治療が始まるようなら、またしても手の手術は先送りになってしまうでしょう。それもあって、手の手術は今年中に終わらせたいと考えていたのです。

日本だと指の切り離し手術は1歳から6歳までの間に複数回行い終了させるようです。もし他の手術や治療のために来年も指の手術ができなかったら、再来年にはムスメも4歳。そこまで待ってもいいものかどうか・・・。

そこで、私たちの住むR市内で指の切り離し手術をしている形成外科医のT先生と、他のアペールの子が手術を受けたブエノスアイレスにあるイタリア病院にも一度意見を聞きに行ってみることにしました。そして果していくつのオプションがあり、どれが現実的かつムスメにとって最善であるかを検討した上で最終的に決めようと。

3月には頭蓋骨のCTスキャンを撮り、その結果を持って前回の執刀医のエマ先生に診てもらうため再びガラハムへ行く予定です。その際、エマ先生にも相談してみようと思います。

という事で・・・2012年しょっぱなから想定外の展開となりましたが、これもまたきっと意味のあることなのだと後から分かっていくような気がします。

ムスメの保育園についてはまた後日ご報告します!

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保育園にて。まだまだ馴染めないヒト。