アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

3度目の正直

実は自宅にいます。

手術が無事に終わって退院しました!という報告をするはずが、実際には7月27日の手術が土壇場でキャンセルとなり、次の予定もすぐには立てられない状況だったため、そのまま自宅にて待機となっていました。

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だからまだ髪も長いままです。

もっと早くブログを更新して報告を、と思っていたのですが、、、この手術のキャンセルが結構なカウンターパンチとなり、軽~く鬱になっていました。

そもそも、27日の手術のために私達がブエノスに向ったのが25日のお昼過ぎ。我が家の猫君をセドリックのお母さん宅に預け、留守中の家の見回りのため鍵をダーリンのお父さんに預け、長い不在になるので私は家中を掃除し、3人分の荷作りをし、ムスメの医療品も全て揃え、出発時にはもうくったくた、という状態で家を出ました。

25日の夜にブエノスのホテルに着き、そこで一端荷をほどいてから翌日の入院用に荷作りをしなおし、ムスメをお風呂に入れて寝かしつけたものの、環境の変化からかムスメはよく寝られず、夜通し泣いては何度も目を覚ましていました(ダーリンは爆睡でしたが)。

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最近旅行で大活躍しているのが風呂敷。

昨年母が持ってきてくれたものを重宝しています。

まとめやすいし、ビニール袋と違って音もしないし、

何より色とりどりの風呂敷はとっても可愛いです。

そして26日は早朝からガラハム病院にて血液採取、レントゲン、手術前健診を受け、正午に入院となった時には既にムスメはぐったり状態。更にこの入院時から手術直前までの間にムスメを3度入浴させるようにと指示を受けびっくり。消毒効果の高い石鹸で可能な限り清潔な状態にしてから手術室へ連れて行くのが規則とのことでしたが・・・なんかちょっとやり過ぎな気が。

そんなんで、ぐったりして昼寝をするムスメを起こし、夜も疲れて今にも寝入ろうとするところをお風呂に入れ、更に早朝5時に最後の入浴をさせるようにと私もムスメ共々叩き起こされ、やや切れそうになりながら迎えた手術当日。この時点で3晩連続してほとんど寝られていなかった私の眼の下にはでっかいクマが出現。でも、こんなことも数週間の辛抱だ、とぐっとこらえたのですが・・・。

ちなみにダーリンは病室に残ることが許されなかったため、ホテルで寝て早朝6時半に病院にやってきました。そして二人して疲れ切ったムスメをでっか過ぎる入院服でくるんで手術室に向かったものの、手術室手前の待合室には親一人しか入れないと言われて、超不服そうなダーリンを残して私がムスメと待合室に入りました。

そこでしばらく待たされたのち、看護師たちによる手術前健診があったのですが、この時いかにもベテランの看護婦さんに「ムスメさん、ぐったりしてるわね。熱があるんじゃないの?」と指摘を受けたのです。

私自身は疲労と緊張で一杯一杯だったし、ムスメがぐったりしているのも寝不足からで、熱があるなんて思いもしなかったのですが・・・言われてみると確かに熱いような。測ってみたらなんと37.6度もありました。が~ん・・・大ショック

この手術室にたどり着くまでに大変な準備をし、心労も重ねてきた私はその展開にもう衝撃受け過ぎて放心。この手術の予約を入れるために他の手術をキャンセルし、病院側のスト(当日は院内労働者のストライキだったんです)のため当初は手術室が使えないかもという状況だったところ、各セクションの上司と掛け合ってなんとか手術室を確保してくれたナダル女医も思わず黙り込んでしまいました。

が、こればっかりはしょうがありません。長時間にわたるリスクの高い手術に、熱のある状態で臨ませる訳にはいきません。当然手術はキャンセルとなったのでした

待合室からムスメを連れて出て来た私を見てダーリンもびっくり。事情を話すと、ほとんど憤りに近いものを感じたようで、何とかならないのかと関係者に掛け合ってみたものの相手にもされず、更に行き場のない感情をためこんでしまう結果に。

まあダーリンの気持ちもわかります。保険会社のものすごく面倒な手続きを山のようにやって、気まずい雰囲気の中仕事を長期休んできたから。しかも一日前までのムスメが本当に体調良かったから、熱だなんて信じられなかったのでしょう。

まずはムスメの熱がどこから来ているのかをはっきりさせ、必要な治療を行い、次の手術に向けて体調が整った段階で改めてナダル女医に連絡をすることとなり、その日のうちに再び荷作りをし、夜には自宅へ向けてブエノスを後にしたのでした。帰宅したのは同日23時。ふぅ~~~~~~・・・長い一日でした。

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自宅待機のおかげでマフラー編み終わりました。

ボンボン付き

結局この時のムスメの熱は、色々とやらされ過ぎて出てしまった知恵熱のようでした(3度の風呂だよ問題は)。同じ日の夜にはまだちょっと微熱がありましたが、翌日にはすっかり回復。思いっきり遊び倒す姿にほっとするやら脱力するやら。一応主治医にも診てもらいましたが、何の病気の症状もなしとのことで、早速ナダル女医にも報告のメールを入れました。

するとその週末、なんとナダル女医から「8月3日(水)朝7時にガラハムに来るように」という突然の指示が・・・!女医曰く、別のアペール症の女児の手術があるが、何らかの理由で手術がキャンセルになった場合はムスメを手術する、とのこと。要はキャンセル待ち(そんなんありか?!)です。

こんな確実性のないことのために再び荷作りして猫を預けて鍵を渡して仕事を休んで出発するのか、と、私とダーリンの間でも相当な議論になりましたが、私としては、手術の予約を入れてもらうことが難しく、この手術自体あまり長いこと待てないものであることから、今はどれだけ大変でもこの件に集中すべきだと思い、ダーリンを説得して出発することとなりました。

こうして再び大変な思いをして荷作りし、準備が整った当日の昼。何気なく触れたムスメの体が熱いような気がして、熱を測ってみたところ・・・・・37度ありました

この時点でダーリンにも関係者にも電話を入れ、もう一気に全てキャンセル。このあり得ない展開にどっと疲れが出て、すぐに荷を解く元気も気力もなかったため、その後数日間はスーツケースから洋服を取り出して生活する自宅難民状態。冷蔵庫もまた空っぽだったし。友人知人からの問い合わせにも答える気がせず、プチ鬱に陥ること数日間。

でも・・・・・・・最終的に思ったことは、きっと何かあってのこの展開なんだろうな、ってこと。ムスメの心の準備が整っていないのか、期が熟していないのか。思えば、これまでも大事な手術はいつも1度はキャンセルになっていたしね・・・。

関係者には、ムスメの前で手術の話しはもうするな、また熱を出すぞ、と言われ、3度目の正直に期待したい今回は、ムスメの前で極力この話をしないようにしています。実は意外と全部分かっていたのかもしれません、このヒト。

この日の熱はウイルス性のもので、結局5日間ぐらいユル~イ発熱が続きましたが、もう今は大丈夫。で、次の手術の予定日は8月17日(水)です。なんと私の誕生日の翌日なので、まさに誕生日当日にムスメと共に入院!なんだか一生忘れられないバースデイになりそうです。はは・・・

それにしてもガラハム病院の入院システム、付き添う親たちにとってはかなり不自由なものでした。

●部屋は個室ではなく2人部屋。まあこれは全然構わないんですが・・・

●夜間に付き添うのは原則母親、もしくは他の「女性」であること。

●病室内のトイレは患者のみ使用可能。1つしかない親用トイレ&シャワーは病棟を出て歩いて行った廊下にあり、それを7,8人の親と共同で使用するため、なかなかタイミングが合わずにかなり我慢することも。

●患者一人につき、付き添いは一人まで。両親は一緒にいられません。

●面会時間は15時~18時で、唯一両親が一緒に付き添える時間。病院ってどこもこんなものなのでしょうか。

●親の食事は提供されないため、誰かが差し入れしなければならない。(子供を置いて買いに出られないため)

●病室内での親の食事は禁止されているので、病棟外で食べる必要があるが、そういうスペースが設けられていない。

何より困るのはやっぱりトイレ。子供(患者)がもう少し大きければ、ちょっと待っててねってトイレへ走れますが、1歳半のムスメの場合はそれもできず、ダーリンが来てくれる面会時間まで何とか我慢したり。やっと行けると思ったら他の親御さんがシャワーを浴びていてなかなか空かなかったり。日本で幼児と入院する場合はどうしているのでしょう?

そして食事。

私達の場合は保険会社が毎日3食提供してくれますが、街の中心地にある食堂へ食べに行くか、取りに行かなければなりません。前回は朝食は食べず、ダーリンが昼食と夕食を取りに行き、町はずれにあるガラハム病院まで届けてくれましたが、この往復は土地勘のない私達には結構大変なものがありました。

また、夕飯を届けてくれた後、ダーリンが街の中心地にあるホテルに戻るのも一苦労でした。というのも、病院-ホテル間を走るちょうどいいバスがなく、しかも病院周辺がちょっと危ない地区で夜間の一人歩きが怖かったから。

次回長期入院になるようだったら、どこかでダーリンに代わってもらって私もホテルで休んで・・・と思っていましたが、夜間は原則私が病院に残らないといけないし、病院の外に出てもダーリンに食事を運んであげないといけないし、夜間の行き来は危なそうなので、結局病院に缶詰になりそうです。

でも、そんな不便さも人生の中の数週間のことだと思えば、大したことないっ!!何はともあれ、まずはムスメが無事に手術を受けられて、問題なく手術室から出てきてくれること。それが私にとっての最高の誕生日プレゼントになるでしょう。

と言うことで、また来週月曜日(8月15日)からブエノスへ行ってきます。次こそ本当に無事の退院報告になりますように・・・!!!