アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

私のこと 草木のこと

最近、自分のブログのあり方をずっと考えていました。実は日本から帰ってきてからの3ヶ月間ほど本当に目の回る忙しさで、限られた時間の中でもの凄くたくさんの問題解決に迫られ、精神的にかなりきつかったこともあり、そのことをブログにも書きたい、訴えたい、吐き出したいという思いがずっとあったのです。

 

例えばそれば、アルゼンチンの障害者福祉は手厚いもののその申請手続きが死ぬほど煩雑で毎年4〜5ヶ月間はその作業にかかりきりになってしまうこととか、今年もお願いするはずでリハビリの時間割など難しい調整を全て済ませていた送迎車さんがリハビリ開始前日に突然短いメッセージ一本で辞めてしまったとか、その人の代わりを探すのにもの凄い苦労をしてとんでもない運転手さんに当たってしまったり、その間ムスメのアクティビティーが全て保留(=私の自由時間もゼロ)になってしまったとか、学校が始まってからムスメが廊下で転倒して顔を打ち鼻血が3日間止まらなかったとか、手術したての顔面を打つのは絶対に避けなければならないので付き添いさんの時間帯について学校側と再三協議したけれどなかなか合意に至らなかったとか、ある日学校から娘のカニューレが外れたと連絡があって私は学校までのタクシーの中で胃がひっくりかえって呼吸困難になるぐらい心配したとか、、、、一つ一つの事情を詳しく書こうと思ったら、それはもうブログをどれだけ長く書いても足りないほどでした。

 

何度も書きかけてはやめ、また手をつけては立ち止まり、そうこうしている内にもっと楽しいこと、興味あるテーマが生活の中からどんどん出てきたので、そちらを優先させて書いている内に日が経って、気がついたらこの3ヶ月間の辛かった気持ちもだいぶ消化されて体からスーッと抜けていました。

 

なかなかうまく書けずにジリジリした気分の時に、この「実際に書きたいことの10分の1も書けない」ジレンマをある方にちらっと話したら、その方から「実際にはもっとずっと忙しかったりもするのでしょうが、私はこのブログのタッチが好きです」というシンプルでいてどこか深いコメントをいただき、そこでふと考えさせられました。そうか、別にこのブログに、私の実生活の全てをぶつけなくてもいいのか、と。色々な経験や感情を忘れないように記録しておきたいという気持ちもありましたが、「記憶」という装置が自然に淘汰しているように、忘れてしまってもいいものは忘れていけばいいのかもしれません。

 

もともとかなり開けっぴろげの性格なので、これまでも辛かったこととか泣き言なんかもだいぶストレートに書いてきましたし、これからもそれは変わらないでしょうが、一つ一つ起こったことを詳細に伝えて訴えなくても、もっと筆の進むこと、書きたいと思うことを思うままに書いていけば、それが自然に私らしいブログを作っていくことになるのかもしれないし、後から読んだ時に良い記録になっているのかもしれないと、少し吹っ切れたような気がします。エルサルでお仕事中のMさん、ありがとうございます。あなたがさらっと書いてくれた言葉が、実はずんと胸に響いていました。

 

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さて、ずっと書きたかったお庭のことを少し。私の留守中はかなりワイルドな風情の「緑地」と化していましたが、この数ヶ月の間に少しずつ手を入れて徐々に「庭」らしい姿を取り戻しました(笑)。

 

この機に思い切って大型の園芸用ハサミを購入し、かなり切りにくい葉っぱも根元からばっさり切れるようになったお陰で、私の愛するヤシの木も見違えるほどすっきりしたお姿に。壁を伝うスイカズラもダラダラと伸びていた部分を切って形を整え、伸び放題だった八重のハイビスカスも枝を払って小ぢんまりした姿になりました。

 

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実はこのヤシの木、買った時は1株だと思っていましたが、2株がくっついていたことが後に判明しました。小さい方は切ってしまわないと真っ直ぐに育たないと言われましたが、この2本ぴったりと寄り添う姿が母と子を思わせるため、とても切り離す気になれず、そっとしておくことにしました。このヤシの木を見ると、ついいつも自分とムスメを連想してしまい、愛おしくてたまらなくなります。

 

先日も書きましたが、根っこしか残っていなかったお気に入りのカラーは、もともと湿気を好むため3週間の長雨を機に復活を遂げ、逆に新しく植えたばかりだったアフリカ原産のEricaという植物(エリカ属ツツジ科)はあまりの湿度に腐ってしまいました。このエリカ、乾燥に強いと言われ、うちの庭の中でも特に日差しが強くて他の植物が育たなかった場所に植えたところとっても綺麗に花を咲かせていたのですが、このまさかの長雨で短命な結果となりとても残念です。短命すぎて写真もありません(号泣)。

 

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多肉植物の皆さんはやっぱり頑丈で元気です。天候に左右されないので頼もしい。

 

こちら(右側)↓の立派な鉢植えは、去年ダーリンが誰かからもらってきたと言って庭の隅にポツンと植えていたちっぽけな葉っぱでしたが、この夏の酷暑にも耐え、ものすごく大きくなっていました。日本滞在中に咲いた花をダーリンがスカイプで見せてくれたところ、どうも蘭の一種のよう。あまりに大きく育って周囲の植物とぶつかり合ったため、今回鉢に植え替えてみました。

 

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次に花が咲くのが楽しみ。前回はカメラ越しだったので、本物をこの目で見てみたい!

 

その左側にある赤い花をつけている植物は、私が先日一目惚れして買ってきたDiplademiaと言います。キョウチクトウ科だそうで、日本語でもそのままディプラデミアと呼ばれるよう。ツタ系植物なので、本当は地面に植えて壁に這わせたいところですが、我が家にはすでにスイカズラがいるため這わせる壁がもうなく、諦めて鉢植えにしました。鉢だとどこまで育つかな。最近寒さからか葉っぱが黄色くなって少しずつ落ちるようになっていて心配です。慣れない植物ってお手入れがドキドキですね。水の量が多いか少ないか、寒いくないか暑くないかと、まるで幼い子供を育てている気分です。

 

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日本だと6~9月に花が咲くとか。こちらではその反対なので12~3月かな?

 

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さて、実は今”家の中に温室&工房を作ろう”プロジェクトを思案中です。そこで、数ヶ月後にはきっとできるであろう温室に置くための観葉植物を少しずつ集め始めたのですが、一つ鉢植えが増えるたびに何とも言えない幸福感に満たされています。この数年間は入院や旅行で家を空けることが多かったので、室内に植物を置かないようにしてきましたが、生活空間にグリーンがあるって本当に良いものですね。目にするだけで心が優しく穏やかになる。植物って本当に平和の象徴だなぁとしみじみ思います。

 

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新しく我が家に来てくれたアイビーとハイエロファントグリーン(法皇緑とも呼ばれるよう)。

 

誰に教えられたわけでもないのに、いつの間にかこんなに植物が好きになっているのは、きっと実家の母の影響なのだろうと思います。母が幾つもの鉢植えを大事に大事に育てていた姿は、いつも心に残っている風景の一つです。日本に帰国して姉夫婦の新居に行ってみたら、そこでもやっぱり部屋中に所狭しと大小のプランターが並んでいて、姉がせっせと世話をしていました。気がつかないうちに色々な影響を受けているものです。

 

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この鉢植えはダーリンと暮らし始めた8年前から彼の家にあったもの。

幾度かの危機を乗り越えて、今では青々と元気です。まるで私たちの関係そのもの??

大事にしないとです。

 

温室&工房プロジェクトの詳細はまた近々。