アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

ムスメ6歳6ヶ月

今年はムスメ6歳のお誕生日は日本にいてブログが書けなかったので、少し遅れて6歳6ヶ月の記録を残しておこうと思います。1年半分の成長記録なので、もの凄く長いです(汗)。

何よりも先に、今ムスメが夢中になっている”モノ”をご紹介します。1ヶ月ほど前にダーリンの叔母さんに連れられて我が家にやって来たNINA(ニーナ)↓、生後4ヶ月。

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正直、私は3年前に亡くなった愛猫への想いが強すぎて、最初はこのちっこい新参者に全然馴染めませんでした。しかも、またこの先10数年間続く”責任”が生じたことに結構気が重く、久々の猫との共同生活=日々の猫トイレ掃除&服が毛だらけ&”土足”で家中3次元に歩き回られるetcにもカリカリしていたのですが、1ヶ月が過ぎた今ではもう可愛くて可愛くて、クシュクシュにこねくり回してキスの雨を降らせている有様です。

そんな私以上にべったりなのがムスメ。ぐっすり寝ているNINA、ご飯を食べているNINA、日向でまったりしているNINAをお構いなしに抱き上げては、あっちへフラフラ、こっちへフラフラと連れ回し、チビ猫にとっては受難の日々が続いています。それにしても、動物一匹の存在で、こんなに家の中って明るくなるんですねぇ。おまけにムスメのiPad使用時間が激減!今では子供向け番組を見るよりもNINAと遊びたいと、後ろを追いかけ回してばかりいます。

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こうしてすっかりNINAの存在が定着したある日、ワクチン接種に行った病院で、このヒト、なんと男の子と判明(!!)。名前を変えなければならなくなりましたが、あまりにNINAが定着し過ぎて、NICOとかNICKYとかNINOとか、いくら代替え案を出してもみんなついNINAと呼んでしまう、、、。もしかするとこのまま、”NINAというオス猫”として生きていくことになるかもしれません。

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本題です。ムスメは現在身長118センチ、体重19.7キロで、昨年に比べると身長は7センチ、体重は3キロ増えました。同い年のお友達が軒並み24キロを超える中、相変わらずひょろーっと長細い少女です。我が家はダーリンが188センチ、私が168センチなので、ムスメも大きい方だと思っていましたが、なんのなんの、学校には2つ3つ年上に見える体の大きなお友達もいて、クラスの中では後ろから4番目です。しかも横幅がないから、群れの中にいるところを見るとますます華奢で小さく見えます。

身体的な変化を挙げると、昨年12月と今年1月、そして一昨日ぐらいに下の前歯が抜けました。もともと噛み合わせが悪く、日頃からしっかり噛んで食べていないため、歯が抜けたことにも気づかず3本とも飲み込んでしまったようで、残念ながら小さな乳歯は現在まで記念に残せていません。最初の歯はじいじとばあばのお家で、2本目はタイへの旅行途中、ハノイ空港で消えて無くなりました(笑)。空港ロビーでニッコリ笑った顔が突然歯っ欠けで大笑いしました。

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左は1本目が抜けた時。手術直後で顔がパンパンに腫れています。右が2本目、ハノイ空港にて。

アルゼンチンでは歯が抜けた夜に”ネズミのペレス”がやって来て、枕の下にお金を置いていってくれます。本当は抜けた歯と交換でお金をくれるそうですが、ムスメの場合はペレスがとっても太っ腹で、抜けた歯がなくてもお金をくれたし、わざわざ日本までやって来てくれたりしました。良かったねぇ。

科学畑の友人から聞いたのですが、なんでも子供は文字を覚え始めると同時に歯が生え変わるんだそうです。それは”動物”から”ヒト”への大きな変化のプロセスであり、ホルモンに及ぼす影響が大きいのが原因とか(!)。確かにムスメには昨年11月頃から文字を教え始めていましたし、クラスのお友達の中には学校が始まったと同時に3ヶ月間で7本抜けた子もいて、説得力があるような気がします。

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危なかしかった歩行ですが、最近ようやく少し安心して見られるようになりました。と書く予定でしたが、先日自宅の廊下で転んで顔から落ち、メガネをぶっ壊して、更にそのメガネのフレームでお顔を切って流血沙汰となりました(汗)。幸い縫うには至りませんでしたが、お顔から血がダラダラ流れている図が色んなことを思い出させてくれちゃって、結構テンションが下がりました。はは、、、。ムスメの場合、両腕に障害があるため、転ぶと必ず顔から落ちてしまうので、どうしても大事になってしまうんですよねぇ。

更に、この秋は結構冷え込みが厳しく、ここ1ヶ月半ぐらいの間に4回ぐらい風邪をひいて寝込んだのも体力低下に繋がりました。お陰で体重も一時1キロ落ち、強い抗生物質で胃をやられてよく食べられないから、足元もフラついて転倒となったのでしょう。まだまだ歩行は油断できません。

それでも脚力は昨年に比べるとだいぶついたと思います。階段も壁に手をついて登ることが一人でできますし、降りるのも自宅の階段なら手すりにつかまってゆっくり降りられるようになりました。でも慣れない場所ではまだまだ一人では降りられない。あと一息というところです。

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さて、生まれてからこれまで数々の試練を乗り越えてきたムスメですが、幸い性格的には相変わらずいつも陽気で、親としてはこれが一番嬉しいことです。が、昨年と比べて変わったことは、寝起きのややテンションが低い時や、思い通りにならない時など、ダーリンに思いっきり当たる場面が増えたことです。

これはムスメの問題と言うよりも絶対にダーリンの問題(断言)。なぜなら彼には子供達に大して決して「NO」と言えない弱点があって、子供達もそれをよくわかっているから。小さい頃のセドリックも今のムスメも、虫の居所が悪い時、わがままが言いたい時はパパにならどんな態度をとっても叱られないという確信があって、大声をあげたり、乱暴な態度を取ったり、ばしばし叩いたりしているように見えます。

更にもっと問題なのは、ダーリンはそんなムスメの態度に対しても怒れない→私に八つ当たりする→夫婦喧嘩になる、という悪循環。これ、下手すると夫婦の危機に直結すると思うのですが、どれだけ話し合っても改善しない。どうしたものでしょう?

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仲良しのMちゃんと、R市のシンボル”国旗モニュメント”にて。二人ともすっかりお姉ちゃんだなぁ。

ムスメが照れ屋なのは変わりませんが、それでもだいぶ人前でお喋りするようになりましたし、誰かに話しかけられた時にちゃんと答えられるようになりました。なのでこの頃、ムスメの声を初めて聞いたという人が続出。なんだ喋られるんじゃん!とよく驚かれます。とにかく内弁慶なので、以前から家ではベラベラ喋っていたんですけど。

お喋りといえば、今回の日本滞在中も日本語をよく話し、こちらに戻ってきてからもじいじとばあばとスカイプする時には日本語で話をしています。以前と異なるのは、きちんと「2つの異なる言語を話しているのだ」という自覚が本人にあること。「私はスペイン語と日本語を話すの」と言うし、わからない単語があると「これは日本語では何て言うの?」とか「スペイン語では?」と頻繁に聞いてくるようになりました。

でもやっぱり、こちらに戻ってきてから時間が経つと、私の日本語に対してスペイン語で返事するようになってしまいました。理解はしているけれど、日本語は話したがらない。面白いのは、日本から荷物が届いて日本のお菓子とか日本の物に触れると、その日は一日中日本語で話したりすること。日本語スイッチが入るのかな?

言語の話をすると、日本滞在中にムスメが突然綺麗な発音の英語で1から10まで数え始めたことがあってびっくりしました。どこで覚えたんだろうと思ったら、いつも好きで見ているYoutubeの英語のお歌を聴いているうちに覚えたよう。そんなんで最近では英語にも興味深々で習いたいと言いますが、3言語をやらせるのは多すぎるように思うし、今のところ習わせる時間もないので、目下検討中です。来年リハビリの時間を少し減らしてもらって調整しようかなぁ。

うちは実はダーリンが言語の鬼なんです(唯一の特技)。以前ヨーロッパに住んでいたこともあり、オランダ語、ドイツ語、フランス語、英語、スペイン語、そして最近では怪しい日本語も話します。多分とても耳がいいのでしょうが、私も小さい頃から音楽をやっていたこともあり、耳には多少の自信あり。それがムスメにも受け継がれているのだとしたら、言語は得意分野なのかしれない、なーんて、ちょっと親バカ的に期待してしまう今日この頃です。

でもまずは、今後どこまで真剣に日本語を教えるかを考えないといけないかもしれません。アメリカ在住の友人のお子さん達は、日本語の補習校に通わせたり、日本式の教育をする学校に通わせたりして文字もしっかり学ばせていますが、アルゼンチンの地方都市にはそんな選択肢はなく、文字も私が教えていかなくちゃいけません。一応日本語教師の資格を持つ身ですが、これまで子供に教えたことはないし、ムスメの場合学校のお勉強にどこまでついていけるかも見極めないといけません。

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そんな、ムスメの学習状況です。先日初めて学校から”成績表”なるものを持って帰ってきました。この国ではどのタイミングで成績表が渡されるのか全く知らなかったので、ある日唐突にムスメに手渡されてなんだかものすごくびっくりしました。正直、これまでムスメが鉛筆を握って文字を書いているのを見るだけで奇跡みたいに思えましたけど、成績表で評価を受ける対象になるなんて、この日まで想像もしていませんでした(笑)。

しかも、恐る恐る開けてみたその中身は、10科目中9科目は5段階評価の3でした。凄〜い!本人は成績表なるものに全く興味を示さず、ろくに見もしませんでしたけど。でもこの成績表、よくよく見てみると、10科目もあるけれどコンピューターなんて一体何回授業があったんだ?と果てしなく疑問に感じる部分もあり、なんだかちょっぴり怪しいところがアルゼンチンという気が。

小学校1年目の今年は、とにかくムスメの「学ぶ能力」が普通学校のスピードで適応できるものかどうかを知ることが何よりも重要だと考えていたので、ほぼ全てが3ならついて行けているのかな、と一安心しました。ちらっと他のお母さんたちとお話してみたら、ムスメの仲良しさん達はみんな似たり寄ったりの成績だったよう。そのお母さん達もみんな「勉強は二の次。学校が楽しいことが今は一番大事」という共通した考えを持っていて、なんだか私もムスメも良い環境にいるなぁとほっとしました。

とはいえ課題は沢山あります。ムスメの今の最大の壁は”集中力”。授業中もぼーっとしちゃうことが多かったり、先生の指示をきちんと理解できているのか分からないことがあったりすると、学校の先生からも、お勉強を見てくれているリハビリの先生からも指摘されています。昨年も今年も聴覚テストで問題ありと出たことから、難聴の疑いがずっと持たれていましたが、先日R市一番の耳鼻科医に診てもらったところ、どうも耳には大きな問題はないよう。やはり集中力と理解力がテーマなのだと徐々に明らかになってきました。

理解力については前々から気になっていましたが、つい先日リハビリの訓練士さんたちとのミーティングで指摘されました。曰く「よくお喋りするし、自分の意見もきちんと持っている。でも例えば、文章Aと文章Bを繋げた時に、その内容に一貫性がないようなことが多い」と。それは例えば「私の猫はおバカさんなの。なぜなら灰色なんだもの」みたいな文章の繋げ方をしてしまうということです。この意見には訓練士さんの間でも賛否両論あって、「これは彼女の遊びみたいなものだ」と主張する訓練士さんもいます。要は、大人の真似をしてペラペラと話したがるけど、実際には「喋る」ことに集中して楽しんでいるだけで、内容を特によく考えずに文章を繋げているのだ、ということなのですが、、、うーん、どうなんだろう。

いずれにせよ、集中力や理解力に問題があったとしても、それはちっとも驚くことではありません。なぜなら、そもそもムスメが生まれた時、左右の脳をつなぐ脳梁と呼ばれる部分がほとんど見られないと言われ、知的障害の大きな可能性についても言われていたからです。ただし脳梁の担う仕事は他の組織でも取って代わることができるため、小さいうちから沢山刺激を与えてあげることが大事、との医師の言葉を信じて、1歳ちょっとから早期学習クラスに通わせたりと、意識的に色んなアクティビティーをやらせるようにしてきました。その甲斐あってか、今ではなんとか普通校に通えるまでになったわけで、それだけでも私としてはバンザイと叫びたい気持ちです。

集中力も理解力も、歩行や食事などこれまでの他の課題同様、一般的な成長と比べてゆっくりでもいいから、ちょっとずつ身についていけばいいなと思っています。

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ムスメのスクールライフについてですが、クラスでは本当に良いお友達に囲まれていて楽しそうです。

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昨年9月、日本へ帰国する前に学校でお友達が壮行会をしてくれました。キスとハグの嵐!

特に、2歳の頃から保育園で一緒だったMちゃんと双子のSちゃん&Mちゃんとは大の仲良しで、休み時間も4人でいっつも一緒に遊んでいるとのこと。お家にも招待し合って、なるべく遊ばせてあげるようにしていますが、3人ともムスメの隣に座るのを巡って喧嘩したり、誰がムスメと手を繋ぐかで奪い合いをしたりと、ムスメへの愛が凄すぎて私もびっくりしちゃいます。双子ちゃんのママ曰く、自宅でもいつも二人して「今頃Lちゃん(ムスメ)は何をしているかしら」と遠い目をして呟くんだそうで、この底なしの愛情・友情に出会えたことに心から感謝です。

今年から新しく加わったお友達とは仲良くできるかな、と当初ちらっと心配していましたが、嬉しいことに私の杞憂に終わりました。ある日ムスメのノートに可愛い絵が書いてあるのを見つけて尋ねてみたら、「Lちゃんが書いてくれたの」と。Lちゃんも今年から入った新しいお友達ですが、ムスメを連れて学校に朝行くと、飛び出してきて挨拶してくれる優しい子です。

もう一人、新しいお友達の中にL君という体の大きい男の子がいて、新学期がはじまってすぐにムスメが「L君に顔をぶたれた」と言って帰ってきたことがありました。心配になり、もう一度同じ事があったら先生に相談に行こうと考えていましたが、それ以降は一度もなく、「ぶたれた」というのも「ぶつかった」の間違いだったのかなぁと思っていました。

そんなある日、お友達の誕生会でこのL君をよく知る機会を得ました。誕生会の会場ってみんな興奮していて押し合いへし合いで遊ぶので結構危ないのですが、この日もムスメが遊んでいるところに男子が大挙して押し寄せてきて「危ないっ!」と私が思った瞬間、なんとこのL君が体を張ってムスメをかばい、「今Lちゃんが遊んでいるんだから、押しちゃだめだよ!」とみんなに言ってくれたのです。それはまるで映画のシーンみたいでした。じ〜ん。この日、同じような場面を2、3回目にし、ワタクシすっかりL君に惚れ込んでしまいました(笑)。

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お友達のお誕生会で。この日は屋上でパーティーでした。

こうして、クラスメート達にとても良くしてもらっているようで安心しましたが、驚いたのは、校内を歩いていると他の学年のお姉さんたちまでムスメの名前を呼んで手を振ってくれることでした。同じクラスにいるダウン症のMくんも学校中の人気者で、休み時間には学年問わずみんなに囲まれて遊んでいるのを目にします。毎回こんな場面に出くわすたびに、この国の子供たちの、”違い”に対する寛容さに心がポッとあたたかくなります。

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ムスメが最近はまっていることをいくつか記録しておきます。

1)子供番組

以前は子供番組と言えばPOCOYO一辺倒でしたが、ここ半年ほどはNETFLIX(会員制動画配信サービス)でだいぶ色んな番組を見るようになりました。それは多分理解力がアップしたからだと思います。好きな番組は、日本にいた時はちびまる子ちゃんとおさるのジョージ、NHKの朝の子供番組も大好きでした。こちらに戻ってきてからはペパ・ピッグやダニエル・タイガー、Youtubeの音楽動画(特に英語の歌)に夢中です。

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基本、お姫様とか王子様には一切興味なし。そんなムスメがただ一度お姫様に扮した時の貴重な写真。

でもまだまだ映画を見るには至りません。映画って物語の展開スピードが速いし、画面上にものすごく沢山情報があって、ストリーを追っていけないのだと思います。一時『アナ雪』にはハマりかけましたが、それも最初の10分ぐらいだけを繰り返し見るには止まり、長時間ストーリーを追っていくのはまだまだできない印象です。早くムスメと一緒に映画館に行きたいと願っているのですが、この分だとだいぶ先になりそう。

2)音楽

音楽好きは変わらず、今年からR市の由緒ある音楽学校に週1回行くようになりました。学校の仲良し4人組が一緒と言うのもあるでしょうが、とっても楽しそうに通っています。習ってきたお歌はちゃんと教えてくれるし、お歌に合わせて踊ったりと、体を動かして音楽の世界を楽しむという体験をお教室ではしているようです。

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公開レッスンの日。

他の子よりも理解も反応も遅いけど、双子ちゃん、Mちゃん、そして先生がフォローしてくれてました。

小さい頃から記憶力はかなりいい子だったので、長い歌詞でもすぐに全部覚えてしまうし、歌う音程もしっかりしています。ただ、この先もし音楽を続けていった場合、使える楽器はだいぶ限られることになります。肘を曲げて持つ管楽器は無理だし、指の関節がないので絃楽器もピアノも難しいでしょう。でも、打楽器ならムスメにもできるはずだし、種類も色々とあるので選べます。幸い、音楽学校でも子供向けクラスの今は打楽器がメインなので、今のところ問題なく活動に参加できています。

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でも鉄琴はかなり怪しかったな~。

私もかつてピアノを弾き、6年間ほどトロンボーンに熱中したので、ムスメも音楽を奏でる楽しみを知ってくれたらいいなぁと思っていますが、どこまでハマるでしょうか。

3)自転車

補助輪付きですが、最近はガンガンこいで、10ブロック先の公園まで行って帰って来れるようになりました。でも一緒に横を歩いていく私たちの歩行速度なんてまるで関係ない勢いなので、パパが必死で走って追いかけていきます(笑)。脚力がアップしたのも、自転車こぎによるところが大きいかもしれません。

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パパ的には散歩というよりジョギングなので、要スウェット。

4)文字

昨年11月頃に日本で文字を教え始めた頃は、ほんっとにイヤイヤ書いていて、私もキーっとなることが多かったのですが、無理矢理でもあれをやっておいて良かった、、、。なぜなら1年生のクラスでは一文字ずつ書き方を教えることはなく、いきなり黒板にだーっと書いた文章をノートに写させるところから始まったからです(汗)。

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これが、”ザ・イヤイヤお勉強”の図。ご覧ください、この目つき。

予習のおかげで一応ベースはあったので、ムスメもなんとか付いて行けた感じでしたが、最初の頃のノートはもちろんグチャグチャ。ところが、いつの時点からか文字を書くのが大好きになりました。今はまだ意味のある単語とか文章などはまだきっと自信がないのでしょう、書ける癖にあまり書きたがらず、ひたすら意味のない文字の羅列をガシガシ紙に書いているだけですが、苦手意識が無くなっただけでもすごい進歩です。公文が出している太めの「こども鉛筆」が握りやすいようで、小さなお子さんやアペール症で指関節のないお子さんにもお勧めです。

日本語はひらがな、カタカナ、漢字があるから文字学習は本当に大変ですが、簡単だと思っていたローマ字も子供には意外とややこしいのだと分かりました。なぜなら、大文字、小文字にくわえ、ムスメの学校ではなぜか既に筆記体(大文字&小文字)まで教え始めているからです。リハビリの先生とも相談して、ムスメには今の時点では筆記体はやらせないと決めましたが、他のお子さんの中にも、筆記体とそうでない文字を混乱して混ぜて使ってしまう子もいて、ちょっと問題になっています。同じ公立学校でも筆記体は2年生から教える学校も多く、担任の先生の一存で決まる進め方に疑問を感じる部分もだいぶあります。

5)お絵描き

肩、肘、手の障害から、鉛筆を握って絵を描くことがあまり得意ではない子でしたが、最近なんだか新しい流れを感じさせる絵を描き始めました(笑)。お友達がみんなお姫様を描く中、ムスメのお絵描きはこんな感じ。斬新じゃないですか??

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しっかり鉛筆を握って、力強い線が描けるようになったことが何よりです。「出来ないからやりたがらない」という消極的な態度もだいぶ影を潜め、時間があれば「ママ、紙ちょうだい」と机に向かって黙々と作業するようになったのもとっても嬉しいことです。そして描き終わると必ず、「これはママに」と言ってプレゼントしてくれる。どの絵にも、たいていどこかに「MAMA」の文字が入っていて、もう胸がキュンキュンしまくりです。

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人の描き方も昨年に比べるとだいぶ進化しました。

でも、学校で”お題”を出されて描くのは大嫌い。具体的なモノを似せて描くことに苦手意識があるようで、具象画を描き始めるまではまだ時間がかかりそう。

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もくもくと制作中。

6)読書

寝る前の読書の習慣は今も続いていて、読まないと絶対に寝てくれません。気に入った本を飽きるまで読むので、時には何ヶ月も同じ本を読まされます。今回も日本滞在中からアンパンマンの本にハマっていて、お話の中で子供達が「アンパンマ〜ン!」と叫べばムスメも叫び、アンパンマンのお顔が新しくなれば音楽を口ずさみと、寝るギリギリまでノリノリです。子供心を惹きつけるアンパンマンの魅力って本当に凄いものがありますね。

でも、本にはかなり好き嫌いがあって、どんな本でも興味を持って読んでくれる訳ではありません。ムスメの本の趣味は私とかなり一致していて、私がつまらないなーと密かに思っているような本にはまず興味を示しません(アンパンマンは例外)。特にスペイン語の本でハマった本はごくわずか。確かに、正直こちらの絵本には、よくこんな程度の本が出版に漕ぎ着けたなぁ、とびっくりするような本も多いと個人的には思います。ムスメが唯一ハマったスペイン語の本は有名な翻訳本で、『かいじゅうたちのいるところ』という素晴らしい作品。この本は日本語版の方にも夢中になりました。

では、ムスメは果たして本好きなのか?これが最近ちょっとしたテーマになっています。と言うのも、実は学校の読み聞かせの時間に、ムスメがボーッとして全然興味を示さないと先生から言われまして(汗)。最初は難聴で聞こえていない疑いが持たれましたが、どうもそうでもないらしく、内容がつまらないから関心を示さないのか、物語を追うのが難しいという理解力の問題なのか、はたまた集中力の問題なのか、関係者一同頭を悩ませていますが、今のところはっきりした原因が分かりません。

年間300冊ぐらい読破する”本の虫”のダーリンの子、年間350冊ぐらい読破する物書きのじいじの孫として、本と無縁の人生を送るはずはないような気がするのですが、今後の展開に注目です。

7)架空の世界のお話し

2年ぐらい前からムスメが自分で作った架空の世界のお話しをよくするようになりました。確か、日本へ初めて帰国するちょっと前ぐらいから、お友達の”ピストルちゃん”(←すごい名前)という子が登場したのが最初だった気がします。

ムスメの話によると、このピストルちゃんはムスメが飛行機に乗れば同じ機内にいて、ムスメが入院すれば彼女も入院しているという具合に常にムスメの側にいて、いつでもムスメと同じような経験をしていました。日本ではじいじのお家から数ブロックのところに住んでいたし、ムスメとタイで象に乗った時も、ピストルちゃんはすぐ後ろの別の象に乗っていたんだそうです(汗)。

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これが恐怖の象乗り体験です。このお話は後日きっと書きます(涙目)。

ところが、これほどずっと一緒だったピストルちゃんは、今回日本からアルゼンチンに帰ってきてから姿を消しました。ムスメ曰く「もうピストルちゃんはいないの。旅行に行っちゃったから」と、、、。この時やっと気がつきました。ムスメにとってピストルちゃんって、ものすごく大変だった2度の日本帰国と6度の手術を乗り越える間、ずっと心の支えだったんじゃないかって。

これまでいつも不思議に思っていたのですが、日本滞在中は仲良しのお友達の話をしたがらず、学校の先生やクラスメート達からメッセージをもらっても大して見たがらず聞きたがらず、むしろどんどんピストルちゃん話にのめり込んでいくように見えました。もしかするとそれは、一緒にいたくてもいられない”現実世界のお友達”の存在はむしろムスメには辛く、どこまでもついて来てくれて、大変な経験も共有してくれる想像上のピストルちゃんが心の逃げ場になっていたのかもしれません。

このことに気がついた時は、ムスメの健気さに思わず涙が溢れました。子供の自己防衛本能って本当にスゴイ、、、。もともと、手に入らないものには決して文句を言わない子で、日本滞在中もパパに会えないことや、自分のおもちゃがないことを決して口にしませんでした。アルゼンチンに帰りたいとか、お友達と遊びたいとかも一切言わず、全てが終わって帰ってきた時になって初めて、帰ってこれて嬉しいと本当に全身で喜びを表現していました。その我慢も、ピストルちゃんが居てくれたからこそできたのかもしれません。

さて、ピストルちゃんがいなくなった今、新しく取って代わった登場人物は、”私のお姉ちゃん”です。もうこのお姉ちゃん、毎日年齢も変わるし(8歳から80歳まで!)、時には独身だったり、時には赤ちゃんがいたりと、ムスメの果てしない想像と欲求を満たすために日々激しく七変化しています。日本滞在中に私と姉の仲良しぶりを目にして影響を受けたのでしょう。当分は”お姉ちゃん話し”に花が咲きそうな勢いです。

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姉夫婦と一緒に行ったディズニーランドやIKEA。楽しかったな~。

世のお母さま方、こういう”架空の世界の話”をするのは、6歳児には多いものなのでしょうか。それとも、ムスメの生い立ちから生じたことなのでしょうか。是非ご意見をお聞かせください。

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ちなみにこちらは”現実世界のお兄ちゃん”のお誕生日の写真。もう13歳ですよ!

8)大人の真似

日本にいた時、じいじが新聞を読むと「大変大変!」と慌てて自分も新聞を手に取り、じいじが本を読めばこれまた「急いで急いで」と大慌てて文庫本を手にしてじいじの横で読みと、コピーロボットのごとくじいじの真似をしていたのですが、最近では私が携帯で友人と話している内容を聞いては、おもちゃの電話で話をリメイクして誰かと話しています。聞いていると、なんだか、話し方まで私そっくりなんですが(汗)。

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証拠写真。

今はNINAを叱るのがマイブームらしく、これまた私がムスメを叱る口調そのままで、激しく遊ぶ子猫を指差し「それしちゃダメでしょう?分かったぁ?」と実に生き生きと叱っている姿が可笑しいです。

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電話の会話には私の友人が多数登場&イマジネーションで凄い世界が展開します。

9)写真

以前もチラッと書きましたが、実はムスメは写真を撮るのがとっても上手です。カメラを構えたと同時にあっという間にシャッターを切るので、絶対にフレームに収まってないと思うのですが、見てみると構図バッチリで毎度びっくりします。

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ムスメ撮影のこの1枚が私のベストショットかも。

そこでクリスマスにキッズカメラをプレゼントしましたが、意外にもこれにはあまりハマらず。あくまでも私が使うちゃんとしたカメラか、携帯での撮影にこだわるので、近いうちに安いデジカメを買ってあげようかと思案中です。

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じいじと一緒にムーミンのぬいぐるみを撮りまくり。

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新しいカメラを記念して、私も鏡の前でムスメと撮影会をしてみました。

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予告の通りすっかり長くなりました。

昨年のお顔の大手術についても、いつかきちんと記録に残そうと思いながら10ヶ月も過ぎてしまいました。あの手術では頭にがっつり延長器をはめられ2ヶ月過ごし、ムスメも私も家族全員ものすごく大変な思いをしましたが、それが終わってようやく、誕生直後から続いていた6年間に及ぶ手術ラッシュも一段落しました。そして今、母子共に今まで体験したことのない”凪”の時を満喫しています。

そんな中、先日突然ムスメが言いました。

ムスメ「ママ、日本にいた時、私、頭に延長器付けていたでしょう?」

ワタシ「うん、そうだね。大変だっだよね。」

ムスメ「でもママがずっと見ていてくれた」

ワタシ「うん」

ムスメ「ママ、ありがとう。大好き。」

ワタシ「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、(ボロ泣き)」

正直に告白すると、これまの15回に渡る手術はいつも、私が時期や医療機関を決めてきたため、ムスメの痛そうな姿を見るたびに全ての責任が自分にあると感じて、その重さに潰されそうになってきました。手術や治療が上手くいかなかった時はどうしても自分を責めてしまい、やり場のない思いも積もりました。それでも周囲で応援してくれる人たちに、「いつかきっとムスメちゃんに感謝される日がくるから頑張りなさい」と励まされて今日まで来ましたが、そんな日はずっとずっと先のことになるだろうと思っていたんです。

それが、たった6歳の小さなムスメが、「ありがとう」って、、、。

本当にびっくりして信じられなくて、とっさに言葉も出ず、ただただムスメを見つめたその目から涙が溢れて止まらなくなりました。思わず声をあげて泣き出してしまいそうで、慌てて手で口を押さえたままボロ泣きする私を、立ち上がったムスメがぎゅっと抱きしめてくれました。

母としてムスメの看護師として、最初の1年間は無我夢中で、その後の5年間も散々迷って悩んで歩いてきましたが、ムスメと手を取り合って乗り越えてきた全てのことを「やって良かったんだ」って、ようやく心から思えた瞬間だったかもしれません。

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最近ではムスメがよく「ママが私の一番のお友達」と言ってくれます。これからは”看護師”を返上して”親友”になれたらいいな、と母6歳6ヶ月を迎え、密かに願っている今日この頃です。

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