アルゼンチン暮らしIROIRO

アルゼンチン在住ライターの日々の想いイロイロ

ムスメ 7歳

去る1月20日、ムスメが7歳の誕生日を迎えました。6歳からの1年間は手術が一つもなく、これまでで最も穏やかで充実した1年を過ごしたムスメの成長はいたって健やかで、昨年12月には無事小学1年生を終了し、3月からは同じクラスのお友達と一緒に2年生になります。

DSCF5430_convert_20170209064119.jpg DSCF5406_convert_20170209064022.jpg DSCF5413_convert_20170209064050.jpg

ボサボサ頭が可愛くて、写真を撮ってみたら、すっかり少女になっていました。

毎日一緒にいるけれど、いつの間にこんなに大っきくなっちゃったのか、なんだかとっても不思議です、、、。

長い長い夏休みも残すところ後1ヶ月となりました。1月からはムスメのサマースクールも始まり、私も落ち着いて翻訳の仕事に手をつけられるようになりました。このスクールには2年前にもお世話になり、ありがたい事に多くの関係者の方たちがムスメを覚えていてくれて、今回も熱烈歓迎してくれました。先生方がムスメの障害について理解してくれていること、昨年学校に付き添いしてくれたジゼラが同伴してくれていること、そして家の目の前のクラブなので何かあったら飛んでいける距離にいることが安心だと思っていましたが、蓋を開けてみたらムスメ自身がしっかり成長していて、以前に比べて格段に不安要素が減っていることに気がつきました。

16710357_10210521909596712_621341325_o.jpg     16145769_10210402175123425_541880100_o.jpg

みんなに仲良くしてもらっているようで良かった!肌質が私とそっくりで、直ぐに真っ黒に日焼けしました。

誕生日当日にはスクールでみんなにお祝いしてもらうのが恒例ですが、今年の6、7歳女子グループはなんと80人(!!)の大所帯だったので、前日、33度の暑さの中、一日中オーブンフル稼働でケーキを4つ(一つは自宅用)を焼きました。子供用のデコレーションが不得手なので、出来上がりにイマイチ納得できずにいましたが、当日持参した3つのケーキはほぼ完食してもらえてほっとしました。

DSCF5338_convert_20170209063310.jpg

こちらでは生クリームのデコレーションケーキを食べない子がとても多いので、敢えてシンプルなチョコレートコーティングにしています。アナ雪はムスメのリクエストで。

毎年のことですが、この日もまた朝起きてからずっと、7年前の出産当日のことや今日に至るまでのムスメの軌跡を思い出して私の涙腺は緩みっぱなし。スクールで100名を超えるお友達にバースディソングを歌ってもらって、生まれて初めて照れずに人前でちゃんとロウソクの火が吹き消せたムスメの嬉しそうな顔が眩しくて、またしてもウルウルと目を潤ませていたところ、顔見知りの先生たちが次々とハグしてくれて本格的に泣けました。

DSCF5347_convert_20170209063407.jpg     DSCF5380_convert_20170209063807.jpg

先生方(写真右)が本当にみなさん懐の深〜い方達で、今年もすごく可愛がってもらいました。

DSCF5353_convert_20170209063500.jpg DSCF5369_convert_20170209063601.jpg

この際、私の二の腕は見なかったことにしてください、、、。

いつの間にこんなに太くなっちゃったんだろうって、本当に不思議です、、、(遠い目)

・・・・・・・・・・・・・・・

ムスメ7歳の成長記録です。今回も長いです。

現在、身長125.5センチ、体重20.5キロで、半年前と比べると身長は7センチ、体重は1キロ増えたことになります。やっぱり身長は高いですが、体重の増加は思うようには伸びず、25キロ越えがざらなお友達の中では華奢なまま。お陰で、仲良しのお友達の履けなくなった半ボンなどをお下がりでもらったりと助かっています(笑)。割とよく食べるのに全然太らないこの体型は、もう完全に遺伝なのでしょう。

身体的な成長としては、今のところ乳歯が下の前歯4本抜けて、永久歯が2本生え、今3本目が姿を現しつつあります。歯は生え揃うのも遅かったですが、生え変わるのも遅そうな印象。特に調べた訳ではないですが、お友達の中には激しく歯っ欠けな子も多いので。今は上の前歯が一本、若干動くかな~ぐらいなのですが、母としては上の歯が欠けたムスメの姿を想像しては、その可愛さに今から悶えています。

記録的な進歩と言えば、この半年間、転んで顔を打ったりしていないこと。椅子に座っていて何かの弾みに床に落ちたり、寝相が悪くてベッドから落ちたり、走っていて軽く転んだりはありましたが、激しく転倒して顔から落ちたことが半年間とないと言うのは、もはや新記録です。脚力と平衡感覚が強化されたのでしょうが、それでもやっぱり階段の上り下りがまだ1人でさせられないのが残念なところ。特に降りる時、片足で体重を支えて膝を折ることが難しいようで、まだまだ見ていて危なかしい。これができるようになるだけでだいぶ自立できるのですが、もう少し時間がかかりそうです。

DSCF5465_convert_20170209064509.jpg

サマースクールの修了イベントではこのマントを着て踊るんだそうです。「お母さん作ってくださいと」いうレターが届き、久々にミシンを引っ張り出しました。

自立と言えば、最近ではお風呂でもできることはなるべく自分でやらせるようになりました。今こちらは真夏なので、寒さに震えて慌てなくてもよい分、時間がかかっても自分で足は洗うとか、石鹸の泡を落とすなどの練習をしています。洋服の着脱もしかりで、Tシャツなど上半身は私が手助けしますが、ズボン、パンツは自分で着たり脱いだり時間をかけてしています。学校がなくて時間的な余裕があるので今がチャンス。そう考えると、3ヶ月の夏休みも悪くないかもしれません(笑)。

歯磨きも、私の仕上げ磨きは絶対に必要ですが、それでもだいぶ上手に自分で磨くようになりました。歯ブラシの柄の部分を伸ばしてあげられるような方法を考えてあげられれば、きっともっとしっかり持って磨けるようになると思うので、これは私の課題です。

DSCF5444_convert_20170209064201.jpg

お得意のひょっとこ顔。ふざけてばっかで全然磨いてないじゃないっ!といつも叱られるヒト。

・・・・・・・・・・・・・

学習状況ですが、学年末に持って帰ってきた成績表は1学期と比べて飛躍的に良くなっていて、ムスメの1年間の成長にじ~んとなりました。5段階評価で5が一番良いのですが、10科目中8科目が4、2科目は3で大健闘。本当にびっくりしました。なにせ1学期は、10科目中9科目が3、1科目は2でスタートしましたから(それでもものすごく感動しましたけど)。

もっとも、この8科目4という評価にも怪しい部分はたくさんあります。例えば算数が大嫌いなムスメはまだ足し算引き算もちゃんとできないし(やろうとしない、かな)、逆に大好きな国語は仲良しのお友達よりも簡単に文章を書いたり読んだりできて、綴りも滅多に間違えないので、この二つの科目が同様に4の訳はないと思うのです。算数はやっぱり贔屓目の4をいただいたのかな〜。

こちらでは夏休みの宿題らしきものがほとんどないので、1月末までは勉強のべの字にも触れずに好きなことだけやっていましたが、2月に入ってからは1日30分だけ机に向かってお勉強をしようと提案しました。当初はぶーぶー言っていたムスメですが、筆記体(1日2文字)、ひらがな(1日3文字)、算数の計算(1日6個)、というカリキュラムに徐々に慣れてきて、今では「お勉強やる~」と言いながら自主的にノートを持って来るようになりました。集中力が持続しないムスメには、少しの量で始めたのが良かったみたい。さてこれから新学期に向けて、色々と思い出してもらわないと。

そう言えば、学年末の保護者会で「夏休みの宿題はないのですか?」と私が質問したところ、先生やお母さんたちが一斉に「子供達には休みが必要よね」と大合唱したのには本当に驚きました。またしてもカルチャーショック!だって3ヶ月間何もしなかったら全部忘れちゃうよ??と思ったのは私だけだったみたいです。ユルイ~!!

今はどうなのかよく知りませんが、私が子供の頃は1ヶ月半の夏休みに山のような宿題が出ていたものです。アサガオの観察日記、絵日記、新聞の切り抜き、読書感想文、自由研究に国語と算数のドリル、果ては家庭科のエプロン作りまで。今思うと確かに、「夏休み」と謳っているにも関わらず、なんであんなに沢山のことをやらなくちゃいけなかったんだろう、と思います。だって宿題のことを考えると、気持ち的に全然休めなかったから(それはきっと側から見ていた私の母も)。

アルゼンチン(中南米)と日本は色んなことが本当に対極にあって、私の中の常識が覆されることと、それをきっかけに考えさせられることが尽きません。どちらが良いかは一概に言えませんが、子供たちが楽なのは断然こちらでしょう。でも治安上、子供たちだけで公園や道端で自由に遊べるわけでもないから、長い夏休み+宿題ゼロでは時間を持て余しちゃうかも。

・・・・・・・・・・・

さて、昨年の学校での様子ですが、1年生は23人中13人が女子で、どうやらその中に3つのグループがあったようです。一つは勉強も生活態度も優秀な子たち、もう一つは学校にもお洒落(口紅まで)してくるおませな子たち、そして最後は一番子供っぽくてイノセントな子たちで、ムスメはこの最後のグループにいました。

メンバーは双子のサブリナちゃんとモラちゃん、そしてブラジル生まれのマルーちゃんとムスメで、幼稚園から一緒だった仲良し4人組です。面白いのは、この子達が多分クラスの中で最も特殊な環境で育った子たちでもあることです。双子ちゃんは双子ちゃんという特異性があり、マルーちゃんはお父さんがコロンビア人でお母さんがアルゼンチン人の科学者、ブラジル生まれで今でもお母さんの仕事の関係で頻繁にブラジルへ行くことからポルトガル語も話し、そこら辺も日本との二重国籍を持ち日本語を理解するムスメと共通するものがあります。

DSCF5214_convert_20170209043030.jpg     DSCF5218_convert_20170209043314.jpg

2歳の時に知り合った4人の友情が続いていることに、幼稚園の先生たちも感動〜!って言ってました。

昨年末にはおませちゃんグループの子がモラちゃんのノートをふざけて破いて捨てたりと、クラスの中でも徐々に色んな出来事が起こり始めていてるようです。ムスメは概ねみんなに良くしてもらっているようですが、一度だけクラスの男子に「バーカ」とからかわれたことがあり、横にいたマルーちゃんがムチャクチャ怒って食ってかかってくれたそう。こういう話しも全部マルーちゃんが教えてくれるので、本当にお友達の存在が有難いのです。今年度からは、遂に付き添いなしで1人で学校生活を送ることに決まったので、大丈夫かなぁと今から心配ではありますが、周りのお友達に助けてもらいながら本格的な自立の第一歩を踏み出してくれるといいな。

DSCF5197_convert_20170209042810.jpg     DSCF5209_convert_20170209042930.jpg

みんなポーズ取っちゃったりしてカッコイ〜(笑)。写真右はお引っ越し中の双子ちゃん宅で記念撮影です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ムスメの照れ屋は相変わらずですが、嬉しい事にサマースクールでもすぐにお友達ができました。今回も縁があったのは双子ちゃんだったそうです(余談ですが、アルゼンチンって双子がとっても多いんです)。子ども一人一人の障害児に対する柔軟さ、寛容さは異なりますが、沢山のお友達にお菓子をもらったり、手遊び歌を教えてもらったりと仲良くしてもらっているようで、「サマースクール大好きっ!」といつも上機嫌で帰って来ては、習ってきた遊びとか踊りとかお歌を披露してくれる姿を見るのが、私にとって何よりの幸せです。

16710437_10210521915836868_1105883525_o.jpg

ただ今、手遊び中。

スクールではもう水も怖がらず、顔に水しぶきが飛ぶのも嫌がらず(自分で拭けないけど)、ジゼラと一緒にがんがんプールにも入っているそうです。2年前にはクラブの大型プールを怖がって、赤ちゃん用のプールでチャプチャプ水遊びをする程度だったのに、すごい進歩。ジゼル曰く、「お魚みたいな子」だそうで、水に入るのが本当に好きな様子。

DSCF4813_convert_20170209040011.jpg     DSCF4816_convert_20170209040211.jpg 

ビクトリアにある大型プール施設にて。色んな水温のプールの中でも、湯治客で賑わう温泉プールが一番のお気に入りでした。母はすっかりのぼせちゃいましたけど。

先日、R市を流れるパラナ川を船で渡って対岸のビーチに家族で行った時も、ず~っと川に浸かりっ放しでした。気管カニューレが付いているので、胸元までしか水に入れないのが本当に残念。カニューレが取れた暁には、ムスメと一緒に頭までザブンと水に入ってお祝いしたい!

DSCF5454_convert_20170209064337.jpg

対岸ビーチでテレレ(氷入りの冷たいマテ茶)を飲んでいるところ。木陰もあって涼しくて、とっても心地よい場所でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

性格的には相変わらずポジティブで朗らか、人を笑わせるのが好きな子で、不機嫌なことがほとんどないので助かっています。が、最近ではB型的「己の道を行く」精神や気の強さも見え始め、それに伴い兄弟喧嘩が激化しています、、、。お兄ちゃんのセドリックももう13歳になり、毎週末我が家に来ることもなくなり、昨年からは2週に1度、金曜から月曜まで来るようになりましたが、そのわずかな時間に喧嘩するする。うるっさーい!いい加減にしなさいっ!!とママが爆発するまで2人してゴチャゴチャ言い合ったり、叫び合ったり、ドアをバタンと閉め合ったり、相手のした事を私に言いつけ合ったりしています(←交互に来るからオカシイんです)。

セドリックもお母さんの家では一人っ子、ムスメも我が家でお兄ちゃんがいない時は一人っ子。それが2人になった時のぶつかり合いがコレなのかなぁ。まあでも兄弟って喧嘩するものですよね。私と5つ年上の姉も、子供の頃はほ~んと喧嘩しかしませんでした。「あんたは橋の下で拾われた子なのよ」といつも姉に意地悪を言われ、口で上手に言い返せない私は悔しくて姉に殴りかかったものです。姉の腕に青タンを作って、母にもの凄く叱られたこともありましたっけ。だから自分は姉に嫌われているとずっと思っていましたが、大きくなって初めて、本当は凄く大事にしてくれて、自慢の妹と思っていてくれたことを知ってびっくりしたんでした。あ、涙出てきちゃった。

DSCF5464_convert_20170209064423.jpg     DSCF5400_convert_20170209063941.jpg

久々の家族写真。こうしてみると仲良さそうな家族に見えますけど、、、ね(苦笑)。

話は逸れましたが、ムスメの「ゴーイングマイウェイ」な性格を頼もしく思う場面も最近増えました。先日も、私のお友達の娘さんのお誕生会に招待されて行った時、集まった30人ぐらいの子供達は誰もムスメのことを知らず、最初はびっくりしてみんな遠くからムスメをじーっと眺めていました。そんな空気がムスメにはちょっと居心地悪いかな~と私が気にして、「ママと一緒に座っておやつ食べようか?」と声をかけたところ、「ううん、遊び場でみんなと遊ぶ」と即答。「本当?大丈夫?」と聞くと、「全然大丈夫!」と遊ぶ気満々でプレイルームへ戻って行きました。

7歳にもなれば自分とお友達の違いもはっきり分かっているでしょうし、周囲の視線や態度にも絶対に気がついているはずですが、本人は気にする素振りもなく、逆に外で知らない子にじーっと見られたりすると、私を見上げてニコニコします。じーっと見る子供達も、チャンスを作ってあげれば近寄って来て「この子どうしたの?名前は?何歳?」と次々に質問してくれて、そしてムスメと仲良くなってくれる。本人もそういう経験を沢山してきているから、誰も悪意を持っている訳ではなく、自分を見るのは自分に興味があるから、と理解しているのかもしれません。そんなムスメの態度が私には凄くタフに見えるし、怯まない姿を誇らしくも思いますが、私のこの感覚こそがいわゆる”大人の感覚”で、本人的には別にタフなわけでもなんでもなくて、自然体なのでしょう。

他にも、すっかりお姉ちゃんになったなと思うのは、私が疲れていたり、頭が痛かったり、落ち込んでいたりするとすぐに気がついて、気を使ってくれたり、慰めてくれたりするところ。ママのことを本当によく見ているなあと思います。絆創膏を貼っているのを目ざとく見つけたり、私の独り言とか表情の変化も見逃さず「どうしたの?」とすかさず聞いて来るので、余計な心配させないように逆に気をつけなくちゃと思うことも増えました。

ご飯が美味しいと「美味しい。ママ、ありがとう」と言ってくれるし、やりたい事、食べたい物、行きたい場所などもハッキリしているし、何事においても意思表示や自己主張がしっかりできるようになりました。後でちゃんとお勉強するからちょっとだけゲームさせて、なんて交渉ごともお手の物。元々甘いパパなんてイチコロで、ムスメの手の平でコーロコロ転がされていて困ったものです。ま、今でもママと一緒に手を繋いで寝たいとか、目を覚ましてママが横にいないと泣いちゃうところはまだまだ赤ちゃんですけどね(←実は嬉しい)。

DSCF5026_convert_20170209040325.jpg DSCF5033_convert_20170209040426.jpg DSCF5035_convert_20170209040535.jpg

マルーちゃんが初めてお泊まりに来てくれた日。夜遅くまで子犬のようにじゃれ合ってました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この1年で上達したことや、今興味があることをまとめてみます。

1)お絵かき

お絵かきは2匹の猫が我が家にやって来てから飛躍的に上手になりました。話したいことがあるから語学が上達するように、描きたいものがあることが絵の上達に欠かせないのだと再認識しました。猫の口の描き方を教えてあげたら早速真似して描き始めたのですが、ちょっと歪んでいてアンシンメトリーなところが無茶苦茶カワイイ!このブサ可愛い猫は、キャラクターグッズにしたら人気が出るんじゃないかと真剣に考えた私は親バカでしょうか??

DSCF5492_convert_20170211033159.jpg     DSCF5493_convert_20170211033247.jpg

ブサカワ猫シリーズの1枚。右側の「風船を持つ女の子」も一時ブームでした。

DSCF5325_convert_20170209063006.jpg     DSCF5244_convert_20161218202954.jpg

ここら辺からテーマが「猫」→「女の子」に。どの絵にも「ママへ」って書いてくれます。キューン。

最近はママ、パパ、自分、そして猫たちや想像上の飼い犬などを描きますが、なぜかセドリックのことは描きません。一度4人の人物を描いたので、「これはセドリック?」と聞いてみたら、「ううん、フェデ(架空の恋人)」としらっとした顔で答えました(爆笑)。なんでかなー。やっぱりお兄ちゃんと喧嘩ばっかりしているから、その仕返しなのかなー。

DSCF5489_convert_20170211033113.jpg   DSCF5469_convert_20170209064551.jpg

ハート、太陽、雲、星、花など、描けるモチーフがだんだん増えて行き、本人も楽しくなったみたい。  

DSCF5476_convert_20170209065032 - copia     DSCF5473_convert_20170209064959 - copia

これも4人ですがセドリックはいなくて、代わりに”ミニちゃん”という見知らぬ子が。右の絵ではパパにおヒゲも描くようになりました。

塗り絵も進歩しました。枠の中を塗る、というルールは前から分かっていましたが、どうせ自分には細かい作業はできないと半ば捨て鉢でガシガシ塗っていたのが、鉛筆の握り方が上手になったためか「自分でも塗れる」って思ったよう。こうして自分に自信が持てると、挑戦してくれるようになって成果も出るので、まずは自分を信じられるようになることが最初の一歩ですね。たくさん褒めてその気にさせる作戦が功を奏したのかな。

DSCF5478_convert_20170209065106 - copia

ここでムスメの架空の愛犬「ローラ」が登場!!

2)文字

もう一つ、昨年目覚ましい上達を見せたのが、文字を書くこと。1年生開始時と終了時の文字を比べて見るとこんなに違います。

DSCF5482_convert_20170209065340.jpg     DSCF5484_convert_20170209065452.jpg

これが1年生開始時のノート。文字がでっかいだけでなく、いたずら書きも多くて途方に暮れました。

DSCF5481_convert_20170209065229.jpg     DSCF5480_convert_20170209065136.jpg

これが学年末の頃のノート。見違えるほど小さくキレイに文字が書けるようになりました

文字を書くことが楽しいって、ある段階で思ったようで、家にいても一人で紙に向かって文字をひたすら書いている時もありました。最初は意味のない文字の羅列だったのが、段々単語に変化していったのには感動しました。スペイン語の場合、RとL、BとV、SとCとZ、GとJなど発音上間違えやすい綴りが幾つかありますが、驚いたことにムスメはほとんど間違えません。自信がない時はちゃんと聞いてきますが、そうして疑問に思うことも大事なことなんだそうです。多くの子供が疑問にも思わずに誤った綴りで書いてしまうそうなので。

私の家系は100%文系で、私自身学生時代は国語はクラスで一番、でも数学は赤点、みたいな極端な文系人間だったので、国語的な血を引いているのは納得できます。以前にも書きましたが、うちはダーリンが本の虫、じいじも本の虫、私の姉も本の虫、と本の虫だらけなので(笑)余計に納得。

これまではスペイン語学習が第一で、負担になるようなら日本語は二の次と思っていましたが、様子を見ていたらいけそうなので、2月に入ってから試しにひらがなを教え始めました。ひらがなって形が難しいのでどこまできちんと書けるようになるか、定着するかは分かりませんが、日本の絵本などを自分で読めるようにしてあげたいなと思って。今のところ楽しそうに勉強しているし、パパに偉そうに教えたりするのが特に嬉しいみたいなので、地道に続けていこうと思います。

3)英語の歌

Youtubeで1年以上前にはまった「フィンガーファミリー」を、365日以上、毎日聞かされて家族中が閉口しています、、、、。この歌、アニメや映画のキャラクターバージョンも沢山あり、本人は見飽きないのかもしれませんが、同じ歌のあまりの再生回数に私たちの方が根を上げています(汗)。思えば2年前は「イヤイヤオー」って曲を、めまいがするほど聞いていましたっけ。まあこんな歌がきっかけで英語を習いたいと言っているので、ちょっと子供向け英語スクールに今年は通わせてみようかと思案中。「勉強」となると絶対に嫌がるはずなので、それこそ英語のお歌を教えてくれるような、ゆる~いお教室を探しているところです。

4)架空のお話し

ムスメに架空のお友達”ピストラちゃん”がいた事は半年前に書いた通りですが、その後ブームが「お姉ちゃん」→「恋人」→「いとこ」と変わり、最近では「私の犬がね、、」と遂にマスコットが登場しました。曰く、”ローラ”という黒いワンちゃん(色は日替わりです)が、ムスメのお姉ちゃん”カロリーナ”の家で飼われているのだそうです。段々物語が多重構造になって来ています。大丈夫でしょうか??

ちなみに、架空の恋人はこれまでに3人いました。ある日突然「もう、ニコったら、ワッツアップ(LINEみたいなもの)で写真とかメッセージとか沢山送って来るから困っちゃう」と発言。「ニコって誰?」と聞いたら「私の恋人」とのお返事!でもこのニコ、メッセージの送り過ぎでムスメに嫌われたのか、しばらくしたら”ルーカス”が登場。「あれ、ニコは?」と尋ねたら、「ニコとはもう終わったの」だって、、、(汗)。こういう会話を学校のお友達がしているのかな。もちろんムスメはまだ携帯電話など持っていないので、メッセージの送り過ぎって言うのも架空のお話しです。

その後の「いとこブーム」は、いとこの多いマルーちゃんを見ていて火がついた模様。でも、実際にいとこが1人もいないムスメには、どういう関係がいとこなのか全く分かっていません。いとこが身近にいなかった私も、子供の頃、道行く人や知り合いのお子さんを見ては「あの子は私のいとこ?」と母に聞いていたそうで、意外といとこの概念を理解するのって難しいかもしれません。

DSCF5178_convert_20170209042031.jpg     DSCF5180_convert_20170209042239.jpg

マルーちゃんがムスメにとってはいとこみたいな感じかな。マルーちゃんのママと私が姉妹みたいなので。

5)映画

集中力が続かずに、長めの動画が見られなかったムスメですが、なんとこの半年の間にシュレック1、2、4(3はつまらないから省略)とシュレック・クリスマス編を見終わりました!とは言っても、一度に全部見るわけではなく、最初の15分ぐらいを何度も見た後、私の説得により更に次の15分を見る、という感じで、何日もかけて最後まで見終わったのですが、一度最後まで見てしまうと、次には同じ映画を30分ぐらいは継続して見られるようになりました。

細切れに見ているとは言え、一番大事なことは、長いストーリーを最終的には繋げて理解できるようになったこと。なぜシュレックだったかと言うと、子供向けの映画で私が一番好きだったから(笑)。何度も繰り返し見ることになるなら、せめて私の好きなやつを、、と思って選びましたが、久しぶりに見たらやっぱりシュレック最高でしたよ!シリーズ最終編なんて何度見てもラストシーンで感動して泣き、そんな私を見るのがムスメ的には面白かったみたいです。

さてそこで、この夏休みの目標の一つであり、私の長年の夢でもあった「ムスメと一緒に映画館」を遂に実行に移しました。いくつか候補を上げて予告を見せたところムスメが選んだのは『モアナと伝説の海』。よーし、それならと、夏の1日フルコースでムスメが喜ぶこと満載にしてあげようと企画したのですが、なんとこれが裏目に出ることに、、。完全なる計算ミスで思わぬ結果となりました。

DSCF5451_convert_20170209064252.jpg

これから見るぞー!という一枚。ま、実際にはそうはならなかったんですケド(爆笑)。

この日は朝11時ごろ家を出て、暑い中バスに揺られながらショッピングモールに到着したのは12時前。映画館でチケットを発券してもらってからフードコートでランチにしましたが、ムスメはすぐ横のゲームエリアに気もそぞろ。ご飯を半分以上残し、大好きな車のレース、エアホッケー、モグラ叩きに挑み大満足。その後、まだまだ上映時間前なのに映画館に入りたいと騒いだので15分前に入場。待っている間は1分おきに「モアナは?モアナは?」と言い続けて私を狂気の淵まで追い詰め、場内暗転となってから20分も続いたコマーシャル中も横から呪いのように「モアナは?」とつぶやく声が聞こえること数10回。遂に本編開始と思いきや、10分後には力尽きました。

そう、寝位置を求めて座席の上でモゾモゾと動き続けるムスメに気づいて「眠い?抱っこしようか?」と聞いてみたところ、もにょもにょ言いながらすぐさま膝に乗っかり、私の胸に頭を預けて爆睡してしまったのです(!!)。まあそうだよねぇ、、、朝から興奮しっぱなしで、長いことバスにも乗って、ご飯も食べた直後でお腹いっぱいで、遊んだ後に散々待たされて、おまけに場内は暗くて涼しくて、もう眠気は最高潮だよねぇ、、、と、スヤスヤ眠るムスメの寝息を感じつつ、己の計画ミスを悔いて、一人ほぉ~っと深いため息をつきました。

そしてエンディングロールが流れる中ゆったりと目覚めた我が家の姫は、「映画館に来るの好き?」という私の問いにニッコリ笑いながら「大好き」と(爆笑)。次回は絶対に家の近くの映画館に行って、余興一切なし、本編開始と同時に場内に入る!と固く心に誓った次第です。今回はまあ、「一度入場したら終わるまで出ると言わない」という私との約束は守ったことを高く評価して、良しとします。

余談ですが、『モアナ』は話の展開がすごく速くて、キャラクター的にもせわしなくて、『アナ雪』レベルを期待していた私としてはちょっと残念でした。テーマや舞台は素敵なので、もう少し感情移入できるメッセージがあり、落ち着いた雰囲気だったら良かったのになと個人的には思いました。でも夜の海に光るエイがやって来るシーンなど、映像はとっても綺麗です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、今年の課題です。

ムスメは抽象的な概念を理解するのが苦手なようだと、確か前回も書いたと思うのですが、引き続き”算数”と言う名の高い高い壁を前に格闘しています。3と4と、どちらの数が「大きい」かという質問を理解することがまず難しいよう。具体的にものを並べて見せたり、絵を描いたりもしましたが、数字が「大きいか小さいか」と言う問いは、改めて考えてみるととても抽象的です。

それと同じことが、通っていた音楽教室でもありました。お歌大好き、楽器を触るのも大好きなムスメではありましたが、楽譜を学ぶ段になりとても苦労しました。口ずさむ歌があのオタマジャクシになって、紙の上に書かれるって、確かに極めて抽象的ですよね。それが原因で今年はもう音楽学校に行きたくないと言い出したのですが、逆に言えば楽譜を学ぶこと以外は大好きだった訳で、それだけの理由で辞めちゃうのはもったいないよって話しをした結果、一応継続することになりました。

DSCF5052_convert_20170209040659.jpg     DSCF5056_convert_20170209040815.jpg

音楽学校、最後のクラス発表会。「誰か歌ってくれる人?」と先生に聞かれたら率先して手を挙げ、皆の前で堂々と一人で歌を歌って喝采を浴びました(!)。

音感はある子だと思うし、まずは耳から覚えていけばいいんじゃないかなぁと私は思っていて、楽譜に関しては徐々に抵抗感がなくなっていけばいいかな、と。もう少し続けてみて、本人が苦痛だと思うようならやる意味はないですが、ちょっと苦手と思うことがあっただけで簡単に諦めて欲しくないので。

DSCF5054_convert_20170209040732.jpg

先生が「ド」「ミ」「ソ」と言うのに合わせて、5本の線上に丸いカードを置いていく遊び。ここら辺からちょっと難しかったかな。

算数も本当にゆっくりゆっくり、ムスメが一番理解しやすい方法を手探りで探しながら、道を開いて行ってあげないと、、、と頭では分かっているんですが、何度説明してもどうしても分かってもらえなかったり、忘れられちゃったりすると、つい私の方がキーッとなってしまう(元来、堪え性全くナシ)。もうこれは既にムスメの勉強と言うよりも、私の忍耐力を培う訓練と言えるでしょう。ムスメは数字と、私は己の短気と取っ組み合う日々はまだまだ続きそうです。

もう一つは、やっぱり自立です。ムスメの体の構造上どうしても不可能なことはあって、そこは多分生涯どなたかの助けを借りないとできないとは思うんです。それは凄く日常的で基本的なこと、例えばメガネをかけたり外したり(将来的にはコンタクトかも)、髪の毛を梳かして結んだり、Tシャツを着たり脱いだりのように毎日しなければならないことです。私が生きている間は手伝ってあげられますが、将来的にどうなるのかな、、と考え始めると正直とっても不安があります。でも今は、ムスメが自分で出来そうなことから一つずつ練習させていくしかないですし、今年から具体的にテーマを決めて徐々にクリアしていけるよう作業療法士さんとも話し合おうと思っています。

道具が必要なことも見極めて用意してあげていかないと。手が届かない顔を洗うための柄付きのスポンジとか、柄の長い歯ブラシとか毛髪用のブラシとか。口に入ってしまった髪の毛をどうやって自力で取るか、食後に口の周りの汚れをどうやって拭くか、目が痒い時にどうやってかくか、サンドイッチやポテトチップスをどうやって口に運ぶか等々、基本の基本過ぎて健常者にはちょっと想像もつかないことが実はできないので、リストを作って使えそうな用具・道具を探したり作ったり、それらを実際に練習してみたりすることを今年は始めたい。

この作業はきっと、ムスメにとって”自由への道”になるでしょう。本人の中に芽生えつつある自立心を大切に育てて、助けてあげられる方法を一緒に考えていくことが今年の親子の課題です。

DSCF5125_convert_20170209041517.jpg DSCF5124_convert_20170209041324.jpg DSCF5120_convert_20170209041211.jpg

踊るの大〜好き。腕は真ん中の写真ぐらいしか上がりませんが、本人気にせずいつも楽しそうに踊ってます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最後に。

アルゼンチン人の著名な心理学者であるガブリエル・ロロンがその著書に書いていたのですが、「人間とは決して”本能的な生き物”ではない」そうです。それはなぜかと言うと、どんな動物も病気や障害を持って生まれた我が子を守ろうとはせず、むしろ殺したり、食べたり、見捨てたりと切り捨てるのに対して、人間の母親はどこまでも生かそう、守ろうと命をかけて奔走するからだそうです。つまりそれは、人間が動物とは一線を画す、ヒューマニティーの根幹とも言えます。

ムスメのクラスにはダウン症児のマルティン君がいます。いつでも天使のように無垢な笑顔で、周囲の人間を幸せにしてくれるこの子のお母さんもまた、とても文章の上手な素敵な方ですが、その彼女がある日私に携帯メッセージを送ってくれました。

「私はマルティンを授かって、一つの使命を与えられたと思っているの。それは、マルティンをしっかり育てて、そしてマルティンがいつか”ヒューマニティーを救う”と言うこと」

このメッセージを読んだ瞬間、「ああ、そういうことだったんだ」と雷に打たれたようなインパクトを受けました。頭の中に散らばっていた幾つもの思考の断片が、突如繋がり形を成した気がして、しばし身動きできずに何度も何度もそのフレーズを読み返しました。何年も前に読んだロロンの分析が鮮明に思い出され、生まれたばかりで死にかけたムスメを抱いて必死だった自分や、日本で障害児を中絶する女性が増えているという衝撃的なニュースや、あの信じられない相模原の障害者殺傷事件が頭をよぎり、自分がこの使命を授かった感動と痛みと、社会に対する不安と期待と、その他たくさんの名前が付けられない感情で胸が一杯になり、しゃくり上げて泣きました。

ヒューマニティー。障害があっても病気でも、互いに助け合い、共に生きていくことができるのが人間のはず。

障害児者と一言で言っても、障害の程度も苦労も人それぞれですし、経験というのはいつでも個人的なものですが、あくまで私の話をすれば、障害者手帳2級の障害児の親になって7年間、どれだけ大変な思いをしても、辛くて泣いたことが数えられないほどあっても、私の人生はそれ以上に”幸せ”と思える瞬間に満ちていました。ムスメに教えてもらった”可能性”と”希望”と、そして”立ち向かうこと”は、何よりも重要な私の生き方の礎にもなりました。

子供の頃から器用で割となんでも簡単にできてしまった自分には計り知れない苦労を、ムスメが一つ一つ乗り越えていく姿は、私の「世界を見る目」を根底から変える力がありました。自分が何も考えずに過ごしてきた子供時代を、今ムスメと共にとことん考えながらやり直している気分で、こうして2度目の人生を異なる視点で生きられることにとても感謝しています。ムスメの母になれたことは私の人生で最良の出来事でしたし、生まれ変わってもまたムスメの母になりたい。絶対になりたい。

世界が、そして日本が、そんな”異なるキャパシティーを持つ人々”から大切なメッセージを受け取れるだけの繊細さと想像力を、どうか失いませんように。7歳、すっかり少女になったムスメが、これからも逞しく生き抜いていけるような、ヒューマニティーに溢れた世の中でありますように。

ママはずっと見守っているから。

DSCF5329_convert_20170209063116.jpg

真夏の庭にて、すっかり大きくなったクロエと。